2016 Fiscal Year Research-status Report
低出生体重で生まれた女子大学生の生活習慣は痩身及び健康状態にどう影響するのか
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26350866
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Research Institution | Miyazaki Municipal University |
Principal Investigator |
宮元 章次 宮崎公立大学, 人文学部, 教授 (90157678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
串間 敦郎 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (20214950)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低出生体重 / 痩身 / 生活習慣 / 月経 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2013年度に調査した女子大学生150名を対象にして再調査を実施した。出生体重2500g未満の低出生体重が15名(低出生体重群)、2500g以上の標準体重が135名(コントロール群)である。体格指数として体重(㎏)を身長(m2)で除したBMI(㎏/m2)を求め、体脂肪率はインピーダンス法を用いて測定した。アンケート調査として、月経周期、月経持続日数、月経の随伴症状の有無について2013年度(1年次)と同じように2016年度(4年次)も実施した。2014年度・2015年度の2年間に続き本年度のデータ収集も順調に行われた。得られている結果として、1年次と4年次における低出生体重群とコントロール群の体重・BMI・体脂肪率については1年次(4年次(再調査))の体重についてみてみると、低出生体重群48.7±7.6㎏(48.8±8.1㎏)であり、コントロール群52.1±7.7㎏(53.1±8.3㎏)であった。BMI について低出生体重群20.3±2.9㎏/㎡(20.3±3.0㎏/㎡)であり、コントロール群20.7±2.7㎏/㎡(20.9±2.9㎏/㎡)を示した。体脂肪率について低出生体重群25.9±6.0%(25.2±4.9%)であり、コントロール群25.9±6.1%(27.1±6.2%)を示し、両群とも1年次は同じ体脂肪率であったが、低出生体重群は1年次に比べ4年次でやや減少しているのに対して、コントロール群は4年次に大きく増加していた。 次に、BMI18.5kg/㎡未満で体脂肪率22%未満における低出生体重群とコントロール群の月経状況について、低出生体重群は、1年次、4年次ともに月経周期、月経持続日数の項目で異常は見られなかった。しかしながら、1年次に月経の随伴症状がある人が17%であるのに対して、4年次は75%と大きく増加し、コントロール群よりも上回っていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の青年女性における低出生体重の比率は10%程度であるので、測定数に占める割合が少ない状況である。一方で、青年女性の痩身とはどのようにして定義づけられるのかと、痩身者の健康度を把握できる尺度を作成した。この成果は「肥満研究」Vol22 No.3 219-225 2016に掲載された。即ち、BMI に基づく痩身の判定基準に体脂肪率を付加することの有用性について、BMI と体脂肪率を測定し、その関係性を検討した。女子大学生1,629名(年齢22.4±0.6歳)を対象に、BMI を説明変数、体脂肪率を目的変数とした回帰分析を行い、回帰係数の推定値、標準誤差、95%信頼限界を求めた。なお、体脂肪率はインピーダンス法を用いて測定した。女性のBMI(体脂肪率)の平均値は、20.6±2.8kg/m2、(24.6±5.8%)を示し、BM Iと体脂肪率の間には、それぞれr2=0.768の有意な正の相関関係が認められた(P<0.0001)。その回帰式は体脂肪率予測値(%) =-11.72 +1.82 ×(BMI)、すなわち、BMIの1kg/m2に対する体脂肪率の変動は、女性では1.82%であった。BMI に基づく肥満判定基準値と、体脂肪率予測値の関係については、女性は体脂肪率の低い状態であるBMIが18.5kg/m2時の体脂肪率は22%、一方肥満に相当するBMIが25kg/m2時の体脂肪率は34%であった。また、BMI 及び体脂肪率の合わせで、身体組成を評価することによって、フィットネスの分類が可能となることを示した。このように、青年期の痩身の予防並びに健康度の評価としてBMIに基づく体脂肪率を併用することの有用性を明らかにした。今後、痩身者の健康を把握できる尺度等を利用して低出生体重で生まれた女子大学生の生活習慣が痩身及び健康状態にどう影響するのかについて調査をおこなう。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の調査方法に基づいて引続き平成29年度及び30年度も調査を推進する。
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Causes of Carryover |
宮崎県立看護大学では2014年度の新入生から調査を始め、4年次に再調査を開始する予定であった。従って、2014年度生の再調査は2017年度になり2016年度は対象がいなかった。そこで、計画を変更して2017年度からは再調査を実施する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定通りに宮崎県立看護大学及び宮崎公立大学の2ヶ所で再調査を実施する。
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Research Products
(1 results)