2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of epigenetic memory of FGF21 gene in the liver
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26350884
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
袁 勲梅 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任助教 (70392404)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PPARα / FGF21 / DNAメチル化 / エピゲノム記憶 / DOHaD仮説 |
Outline of Annual Research Achievements |
胎生期から乳児期の環境変化により、成人期の疾病罹患性を規定するというDevelopmental Origins of Health and Disease(DOHaD)仮説が提唱されている。このDOHaD仮説の分子機構として、遺伝子発現のエピゲノム制御のなかでも、特にDNAメチル化による制御が注目されている。我々は最近、マウス乳仔期において核内受容体であるperoxisome proliferator activated receptor (PPAR)αの母乳を介した活性化が仔の肝臓の脂肪酸β酸化関連遺伝子のDNA脱メチル化を導き、遺伝子発現が増加することを示した(Diabetes 2015)。Fibroblast growth factor(FGF)21は糖脂質代謝の鍵分子であり、その遺伝子発現はPPARαによって正に制御されている。周産期の母獣マウスにPPARα人工リガンド(Wy)を投与し、産仔マウス(Wy群)の肝臓におけるFgf21のDNAメチル化の経時変化を解析したところ、対照群と比較して、乳仔期におけるFgf21のDNA脱メチル化の亢進が認められ、これは成獣期まで維持された。平成28年度は、Wy群、対照群の両群に高脂肪食(脂質60%)を生後4週目より10週間負荷し、DNAメチル化状態の差異が成獣期の糖脂質代謝表現型に与える影響を評価した。その結果、10週間の高脂肪食負荷によってFgf21 のDNAメチル化状態の差異に変化は認めなかったが、負荷後10週間におけるFgf21発現および血中濃度は対照群と比較して、Wy群で有意に増加していた。さらにWy群では対照群と比較して、有意な体重減少、白色脂肪組織重量の減少を認めた。また耐糖能もWy群では対照群と比較して有意に改善し、寒冷曝露による体温も有意に高値を示し、エネルギー代謝の亢進を認めた。
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Research Products
(6 results)