2016 Fiscal Year Annual Research Report
Association between Childhood Obesity and Cardiovascular Risk Factors during Young Adulthood
Project/Area Number |
26350886
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
冨樫 健二 三重大学, 教養教育機構, 教授 (10227564)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 肥満小児 / 予後 / 内臓脂肪 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児期の腹部脂肪分布、アディポサイトカインを含んだ肥満の病態が、成人期の心血管系リスクに及ぼす影響を検討するため、小児期に肥満の治療を受け成人期に再検査を希望した者に対し採血、腹部CT撮影を含んだ臨床検査を実施した。対象は成人期にHbA1c(NGSP)6.5%以上の糖尿病型を示した2名を除いた25名(男性19名、女性6名)とした。小児期の年齢、肥満度は9.3±1.8歳、37.8±13.9%、成人期の年齢、BMIは23.6±2.7歳、27.1±5.6であり、平均経過年数は13.8±2.9年であった。小児期は全員が肥満度20%以上の肥満と判定されていたが、成人期には25名中11名(44%)が非肥満者BMI<25)となっていた。 小児期と成人期の体格指標・腹部脂肪分布(体脂肪率、腹囲、皮下脂肪面積、内臓脂肪面積)との間に有意な相関は認められなかった。生化学検査においてAST、ALT、尿酸値、血糖値は小児期と成人期の間で有意な相関は認められなかったが、総コレステロール(r=0.507, P<0.05)、トリグリセライド(r=0.541, P<0.01)、LDLコレステロール(r-0.599, P<0.01)、HDLコレステロール(r=0.582, P<0.01)といった脂質系の項目では有意な相関関係が認められた。また、小児期と成人期の高分子量アディポネクチン、小児期の高分子量アディポネクチンと成人期の高感度CRPとの間に有意な相関関係が認められた(それぞれr=0.519, P<0.05、r=-0.416, P<0.05)。 以上の結果より、治療を受けた肥満小児において小児期の体格指標や腹部脂肪分布から成人期の心血管系リスクと関わる体格指標や腹部脂肪分布を予想することは難しいが、中性脂肪やHDLコレステロールなどの血中脂質や高分子量アディポネクチン値からは成人期の心血管系リスクを推定することができる可能性が示唆された。一方、小児期に治療を行っても成人期まで肥満を継続する者もいることから、今後遺伝子の情報を加味した検討が必要であると考えられた。
|
Research Products
(6 results)