2015 Fiscal Year Research-status Report
若年成人の脂肪性肝疾患における多様性に寄与する遺伝的素因の解析
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26350891
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
古賀 光 岡山大学, 学内共同利用施設等, 講師 (90596131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 良章 岡山大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00314667)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脂肪性肝疾患 / 若年成人 / 遺伝的素因 / 遺伝子多型 / 生活習慣 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、ヒトゲノム遺伝子解析研究を含む本学大学院医歯薬学総合研究科の倫理委員会に承認された手続き(課題番号189「大学生における脂肪性肝疾患に関連する遺伝子素因の研究」)に従って被験者のリクルートを進めており、現在までに205例の被験者を登録している。被験者の身体測定を含む背景、アンケート調査、腹部超音波検査、血液検査などのデータは、構築したデータベースに順次登録している。さらに、これら被験者の脂肪肝ならびに身体測定を含む背景の経時的データについても、データベースへの登録が進んでいる。また、採取された被験者の血液検体は、血清、血漿を分離し凍結保存するとともに、全血よりゲノムDNA を抽出して同様に凍結保存し解析に供した。 現在までに、PNPLA3 (rs738409)およびTM6SF2 (rs58542926)に関して有意な所見を見出している。すなわち、従来、脂肪肝との関連がひろく知られている最も代表的な遺伝子多型であるPNPLA3に関しては、男性の中等度肥満例において脂肪肝と関連する傾向を認めたが、全例での解析では有意な関連が見られなかった。一方、TM6SF2に関しては、全例の解析で、Additive modelおよびDominant modelのいずれにおいても有意な関連を示し、多変量解析でも、肥満、性別、PNPLA3とは独立した有意な脂肪肝関連因子である事を見出した。さらに血中脂質との関連において、LDL-C、HDL-Cとの関連は認めなかったが、中性脂肪が有意に低い傾向を認めており、TM6SF2変異による脂肪代謝・分泌低下との関連を示唆させる知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者は引き続きほぼ予定通りのペースでリクルートされており、症例、検体試料の蓄積、背景因子を含めたデータベースの構築も進み、解析を行った遺伝子多型と脂肪肝との関連解析において有意な所見を見出し、学会発表を行い論文執筆中であり、更に新たなデータの学会発表準備を進めており、予定通り進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の検討をさらに発展させ、脂肪肝と脂肪肝関連遺伝子多型との関連に加えて肥満関連遺伝子との関連、脂肪肝の経時的変化と遺伝子多型との関連、血中脂質および生理活性物質との関連を解析するとともに、更に新規遺伝子多型を含めた追加のSNPs について検討し、これらを統合したデータについて統計的解析を行う。以上の結果を、最終年度として総括する。
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Research Products
(1 results)