2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of genetic basis for diversity in non-alcoholic fatty liver diseases in young adults
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26350891
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
古賀 光 岡山大学, 保健管理センター, 客員研究員 (90596131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 良章 岡山大学, 保健管理センター, 教授 (00314667)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脂肪性肝疾患 / 若年成人 / 遺伝的素因 / 遺伝子多型 / 肥満 / 血中脂質 / 白血球分画 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトゲノム遺伝子解析研究を含む倫理委員会に承認された手続きに従い、236例の被験者をリクルートした。被験者の身体測定を含む背景、アンケート調査、腹部超音波検査、血液検査などのデータより経時的変化も含めてデータベースを構築した。被験者より採取した血液検体より血清、血漿、ゲノムDNA を抽出して解析に供した。脂肪性関連は、PNPLA3 (rs738409)、TM6SF2 (rs58542926)、肥満関連はFTO (rs1558902)を中心に、遺伝子多型検出システムにより解析した。 被験者の背景解析では、97%の被験者で入学一年前より体重が増加(平均8.1 kg)しており、被験者の56%が腹部超音波検査で明らかな脂肪肝を伴っていた。代表的な脂肪肝関連遺伝子多型であるPNPLA3において、被験者のサブ解析では脂肪肝と関連する傾向を認めたが、全例での解析では有意な関連を認めなかった。一方、TM6SF2遺伝子変異は脂肪肝と有意な関連を示し、多変量解析でも肥満、性別、PNPLA3とは独立した有意な脂肪肝関連因子である事を見出した。また脂肪肝の経時的検討において、TM6SF2遺伝子多型が脂肪肝の持続と関連する傾向が見られた。さらに、TM6SF2変異では、肥満度により脂肪肝の有病率が増加する相加的関係を認めた。一方、肥満関連遺伝子と遺伝子多型、脂肪肝との有意な関連は見出されなかった。 血中脂質の解析では、PNPLA3では中性脂肪、HDL-C、LDL-Cのいずれとも有意な関連を認めなかったが、TM6SF2ではLDL-C低値との関連を認めた。 非アルコール性脂肪性肝疾患のうち進行性の病態である非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)では、末梢血白血球分画の偏りが報告されている。TM6SF2遺伝子多型では認められなかったが、PNPLA3遺伝子多型において末梢血白血球分類の偏りを見出した。
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Research Products
(2 results)