2014 Fiscal Year Research-status Report
新規エストロゲン受容体GPER遺伝子多型と動脈硬化の関連性
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26350906
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
林 貢一郎 國學院大學, 公私立大学の部局等, 准教授 (90433474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家光 素行 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90375460)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | GPER / 動脈硬化 / 身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化の進行度や習慣的身体活動の効果には大きな個人差が認められる。このような個人差の機序を遺伝的素因から解明することは,遺伝的特質を考慮した効率的なライフスタイル処方の構築につながる。動脈硬化の進行に関する遺伝子多型は多く報告されているが,申請者らはこれまでに性ホルモンであるエストロゲンの産生に係る酵素やエストロゲン受容体の遺伝子多型に着目して研究を進めている。性ホルモンであるエストロゲンは,エストロゲン受容体を介して抗動脈硬化作用を発揮するが,近年,新しいエストロゲン受容体としてG-protein Coupled Estrogen Receptor(GPER)が同定され,血管弛緩作用や血管障害抑制などの効果が報告されている。本研究では,新しいエストロゲン受容体GPERの遺伝子多型の違いが,エストロゲンの抗動脈硬化作用および身体活動実施による動脈硬化抑制度に違いを生じさせるといった仮説を立証する。 申請者や分担研究者を含む研究グループでは,これまでに1,300名を超える健康的な日本人の生活習慣病リスク指標(動脈硬化指数,血中脂質・糖代謝プロファイル,体組成など),体力(最大酸素摂取量や筋力など)および身体活動量などのデータベースを構築しており,遺伝子多型解析用のDNAもほぼ抽出された状態にある。本研究課題実施の初年度である平成26年度には候補遺伝子多型の選定に注力することを目的とした。先行研究や遺伝子多型のデータベースを利用することで,また,分担研究者との数回のミーティングの成果として,GPER geneに関する数種類の候補遺伝子多型を選定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の進行状況は,申請当初の計画よりも幾分遅れている。解析の候補となる遺伝子多型は決定することができたが,一部の性ホルモンの測定を行うことが出来ていないためである。ただし,性ホルモンの測定を行うための環境整備はほぼ終了しているため,H27年度に遺伝子解析と並行して行うことができるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,一部の性ホルモン濃度を保存サンプルを用いて定量し,解析可能な遺伝子多型の分析を行う。H27年度にほぼすべての遺伝子多型の分析を終了し,動脈硬化指数などのphenotypeとの関連を明らかにしていきたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度に行う予定であった性ホルモンレベルの定量を行うことできていないために使用額の差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の計画に含める。
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