2014 Fiscal Year Research-status Report
生活習慣病対策としての統合医療のエビデンスとフィージビリティ
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26350910
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
上岡 洋晴 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (30408661)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統合医療 / 生活習慣病 / エビデンス / ピラティス / システマティック・レビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、統合医療としてカテゴリー化された各療法のランダム化比較試験(RCT)のシステマティック・レビュー(SR)を要約するとともに、まだ SR が実施されていない場合には、独自に RCT の SR を実施し、国際疾病分類(ICD-10、また は新しい ICD-11)に基づいてエビンデンス(効果と有害事象、アドヒレンス、限界)を明らかにすることである。さらに、各種の健康行動(禁煙、肥満予防・軽減、運動習慣、メンタルヘルスなど)のための「行動 変容モデル」のフェーズにおける導入方法をフィージビリティの観点から提案することを目的としている。 まず、先進諸国で人気の高い運動「ピラティス」の治療効果に関するRCTのSRのSRを完了した。有害事象に関して報告が十分なされていないという問題点もあるが、慢性腰痛を有する患者の疼痛軽減と機能の改善に効果が確実にあることが明らかになった。また、柔軟性の向上や、動的バランス、筋持久力の向上にも効果があることが明らかになった。しかし、臨床研究の対象になった参加者のほどんどが女性であり、年齢も比較的若い集団であるため、男性や高齢者における外的妥当性やフィージビリティに関して課題であることも明らかにできた。 さらに、臨床研究・疫学研究の研究方法論に関する総説として、「RCT報告のためのガイドライン:とくに薬剤以外を対象とする場合の考え方」(医学のあゆみ)と「転倒予防に関する研究報告の質を高めるためのチェックリスト」(日本転倒予防学会誌)を執筆して掲載が決定している。こうした研究方法論を学ぼうとする研究者にとって有益な情報を提供できたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ピラティスのシステマティック・レビューのレビューが完成して、既に英文誌に投稿中である。臨床研究・疫学研究における研究方法論を整理した総説を各種の学術雑誌に投稿して掲載が確定している。その他、包括的なレビューの準備も並行して進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
統合療法に関する他のシステマティック・レビューを進めるとともに、研究方法論に関する総説を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
研究遂行において、1万円未満の残額が生じた。とくに大きな理由はない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、この額も含めて、予定されている研究を遂行する。
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Research Products
(2 results)