2017 Fiscal Year Annual Research Report
Continuity of development in brain functions and behaviors from perinatal to young infant periods
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26350924
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 はま 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任准教授 (00512120)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳機能発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度において、乳児の睡眠状態による脳を含む身体の生理機能の状態を明らかにすることを目指した。睡眠中の児を対象として、前年度に導入したマルチセンサーシステムにより、脳波・眼電・筋電・体表温度の計測を実施した。50名の児を対象とした計測をおこない、データを得ることができた。脳波および眼電データより、静睡眠・動睡眠の推移を明らかに捉えることができ、また筋電および体表温度も、睡眠段階の推移にともない明確な違いが見られることを明らかにすることができた。特に、体表温度に関しては、近位(鎖骨下)と遠位(足の甲)を計測し、それらの差をリアルタイムで追うことにより、睡眠段階の変化をクリアに捉えるられることが確認できた。体温センサーは、装着が容易であり、児の身体的負担も少ないことから、この指標により簡便に睡眠の状態をモニタできることは、新生児を含む医療現場での計測において有意義なことと考えられる。 生後1ヶ月までの児の計測に関しては、これまでに引き続き、病院の小児科での計測を継続した。43チャンネルのfNIRS計測を実施し、10名のデータを追加計測することができた。本研究における脳機能計測においては、当初はfNIRSを用いた計測に特化した計画であったが、マルチセンサーシステムの導入により脳波等の複数の生体信号を得る環境ができたことは、当初の目的を上回る成果であった。fNIRSで計測される脳の酸素化状態と、脳波等で明らかにされる睡眠の状態を同時に解析するシステムを確立できたことは、今後の新生児・乳児期の脳機能の発達を解明するための重要な基盤と位置付けられる。
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Research Products
(1 results)