2016 Fiscal Year Annual Research Report
Behavioral Study on Mothers' Expressing Affections for Children and Children's Emotional Regulation
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26350930
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
今川 真治 広島大学, 教育学研究科, 教授 (00211756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権田 あずさ 広島大学, 教育学研究科, 助教 (40710851) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 食を通した愛情表出 / 子どもの感情安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,母親が日常生活のさまざまな場面において,子どもに対する愛情をどのように表出しているかが,子どもの集団保育場面における感情の安定性にどのように影響を及ぼす可能性があるかを明らかにすることであった。 今年度は,研究協力園2園において,母親の食を通した愛情表出について質問紙調査を実施するとともに,食事場面における子どもの行動観察を実施した。 H市内のH保育園に在籍する3~4歳児と,F幼稚園に在籍する3~5歳児の保護者99名を対象に,日常の食事作りや弁当作りにおいて,自身の愛情をどのように子どもに伝えているかに関するアンケートを行った。回答者はすべて母親であり,回収数は88票,回収率は88.9%であった。 その結果,例えば子どもの誕生日に誕生ケーキを毎年焼く母親は10人しかいなかったが,毎年子どもの好きなおかずなどを作っている母親は48人(54.5%),家族にとって特別な食事を毎年作っている母親も30人(34.1%)いた。食べ物や食べることを通して,子どもへの愛情を伝えているかという問いに対し,「積極的に伝えている」と回答した母親が16人(18.2%),「伝えている」と回答した母親が50人(56.8%)おり,「意識したことがない」と答えた母親は22人(25.0%)だけであった。愛情伝達の方法について,「美味しいものを作って食べさせる」と回答した母親が34人(38.6%),「一緒に食事をする」と回答した母親が25人(28.4%)であった。 食を通して積極的に愛情を伝えていると回答した母親の子どもは,食事場面において逸脱行動(席を離れる,大声で話をする,食事中の姿勢が悪いなど)が少ない傾向があり,食を通した愛情の伝達は,母親が食事場面を大切にする態度に繋がり,それが子どもの感情の安定化に寄与することで子どもの行動を安定化させる可能性があることが明らかとなった。
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