2014 Fiscal Year Research-status Report
離島社会における子どもの身体・健康・医療に関する文化的知識と行動パターン
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26350932
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
道信 良子 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (70336410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀谷 真梨 国立民族学博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (50432042)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子ども / 医療 / 健康 / 離島 / 人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
利尻島では、島の医療の歴史を利尻町史と利尻富士町史をもとに、その概要をまとめた。子どもの出産や子育てにかかわる医療のあり方や島民の受療行動について、島の医療に携わった経験のある医師の論文やエッセイをもとにその概要を理解した。子どもの身体・健康・医療に関する知識と行動パターンについては、身体と医療に関する子ども向けワークショップを開いた際に、子どもたちが身体・健康・医療というテーマにどのように向き合うのかを通じて、それらの考え方の一端を考察した。子どもの身体や医療にかかわる家族・学校・地域社会との関係性については現地調査に限りがあり、十分に行われていない。 波照間島では、島の出産・子育て環境の歴史的変遷を主に調査した。出産環境について、昭和30年代までは産婆やお産に長けた女性の介助による島内出産が一般的だったが、昭和40年代半ば以降は石垣島での病院出産が増加した。但し、高波等で移動が困難な時も少なくなく、自宅出産と病院出産の併存期が昭和50年代半ばまで続く。それ以降病院出産に完全移行し、現在は石垣島、那覇、本土への里帰り出産が一般的である。子育て環境に関して、波照間島では仮親慣行が盛んで、多くの住民が昭和53年頃まで血縁関係にない子どもの保証人としてその生育を支え見守る役割を果たしていた。体の弱い子どもに道端で出会った人に親になってもらう「道親」慣行のみならず、迷子を助けた人が仮親になる「捜し親」という慣行もみられた。現在でこそこれらの慣行は見られないが、本土出身の妊婦や母親が出産や子育てをめぐる禁忌や過干渉とも思える発言を在来の島民から受けることは少なくなく、子どもの生育に地域住民が高い関心を寄せる風潮は現在も確認できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子ども向けのワークショップを行い、子どもの視点を引き出す活動をするなど、研究はおおむね順調に進展しているが、学校内でのフィールドワークは十分にできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はフィールドワークを中心に調査を継続する。
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Causes of Carryover |
調査の旅費が当初予定よりも少なく実施できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の調査で使用する。
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Remarks |
科学研究費に関する部分は2015年4月に入力・作成。
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Research Products
(3 results)