2017 Fiscal Year Annual Research Report
The influence of socioeconomic disparity caused by employment on the health of workers and their family
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26350935
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
錦谷 まりこ 九州大学, 持続可能な社会のための決断科学センター, 准教授 (40327333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴ヶ野 しのぶ 電気通信大学, 保健管理センター, 准教授 (10359630)
井上 まり子 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 准教授 (20508048)
矢野 栄二 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 教授 (50114690)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非正規雇用 / 健康 / 女性 / 子ども / 若年労働者 / 労働時間 / 職業 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに目的外利用申請して得た国民生活基礎調査のデータを用いて、非正規雇用による健康影響について、職業的な特徴があるかについて引き続き検討した。研究仮説として、専門的な知識や技能を備えた雇用者は不安定な身分の非正規雇用であっても健康面の影響が少ない可能性があると想定し、特に次世代育成期にある若年者を中心とした雇用者に焦点を当て、非正規雇用の職業特性に注目した分析を行った。一般的に、非正規雇用者は正規雇用者に比べて健康状態が劣ることで知られているが、本研究の結果から、専門的・技術的職業に従事する非正規雇用者は、他の職業従事者に比べて、健康格差が小さいことが示された。一方、サービス職業及び生産工程従事者の非正規雇用者は健康状態が悪いことが示された。これらの成果は日本産業衛生学会で発表したほか、現在学術誌へ投稿準備中である。 また、非正規雇用者の多い女性を対象として、さらに生物学的な再生産年齢層に焦点を絞り、関連して実施した従前の調査におけるデータを用い、勤務間インターバル制度(労働時間外の生活時間)と月経関連の健康指標との関係を検討した。結果として、インターバル時間が11時間未満と短くなると、月経周期異常の有病率が増加する可能性が示唆された。また、同様の11時間未満のインターバル時間の女性労働者においては健康不安や健康不満足のリスク増加との関連が示された。この結果については国際学術誌BioPsychoSocial Medicineに報告済みである。 これらの分析研究と並行して、日本産業衛生学会政策法制度委員会及び日本衛生学会少子化対策WGにおいて「女性労働者」や「少子化」のキーワードとともに非正規雇用の影響に関して執筆し、ガイドラインや提案書を作成するなどアウトリーチを行った。成果については引き続き報告予定である。
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