2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26350944
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
畑 忠善 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (70267954)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 心筋再分極 / 乳児の心電図 / QT variability index / 早期再分極時間 / JTp interval / JTp variability index |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度(平成26年)は,既往歴のない健常な生後1ヶ月乳児140 人を対象とし,体表面心電図記録から心筋再分極過程の特性(QT 時間,上行脚であるJTp時間,下行脚であるTp-e時間、再分極特性比率 Tp-e/QT、RR間隔と再分極時間との変動指数QT variability index、JTp variability index、Tp-e variability index)を算出し、各種の特性値、指数値間の関係を評価した。さらに児童の在胎週数,出生児体重、生後1ヵ月までの体重増加率と変動指数との相関性を検討した。 対照群の再分極変動指数値(QTVI)は中央値 -0.39、平均±標準偏差 -0.35±0.50で分布した。この結果は、これまでに我々が観察してきた生後1ヵ月未満児群(中央値 -0.35、平均±標準偏差 -0.26±0.51)よりも低値であり、健常学童に近似した数値であった。この変化は生後の自律神経系の平衡や心筋細胞の電気生理学的な成熟過程を示していることが推測された。 さらに対象児童における全再分極時間の指数QTVIと早期再分極時間の指数JTpVIは有意な正相関(p<0.05)を示した。これより健常乳児においては心筋再分極の不均一性(安定性)の評価に早期再分極時間の変動指数が用いられる事が考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常児童(生後1ヵ月)の心電図記録が順調に進んでいることから、本研究期間の前期2年で300名を超える記録が得られる予定である。 一方の病態を有する児童については、多種多様な心臓疾患を包括して心電図記録を遂行している為、検定に用いることが可能な単一疾患群のn数を得るには1年の時間が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の2年間で対象児童数を400名以上とし、これまでに論文化されていない生後1ヵ月児童の再分極特性と再分極指数を提示しようとする。同時に心疾患を有する患児たちの心筋再分極の安定性について観察し、得られた特性値と指数を用いて健常児童との相違を評価しようとする。この比較分析は疾患群における再分極異常の機序を解釈するための一知見となるであろう。
|
Causes of Carryover |
心電図解析ソフト購入に関して、新規バージョンソフトとパーソナルコンピューターのバージョンの機能的な整合性の確認に時間を要した。その結果、平成26年度予算での購入を見合わせて、翌27年度予算にて購入する方針とした。報告書に示す次年度使用額が生じた理由である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
使用計画、新規の心電図解析ソフト(169250円x4セット)は購入予定である。
|