2015 Fiscal Year Research-status Report
就床時のぐずりに着目した子どもの感情安定化方略の研究
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26350953
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
倉盛 美穂子 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (90435355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩城 達也 広島国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70341229)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 感情 / 乳児 / 制御 / 入眠 / 大人 |
Outline of Annual Research Achievements |
感情制御の発達研究によると、乳児がネガティブな感情を抱いた際、養育者から優しく声をかけながら身体を優しくゆすってもらう経験は、その後の感情制御の発達に関連すると言われている。ただ、就寝時の乳児のぐずりに着目した感情安定化方略に関する研究は少ない。乳児が睡眠状態へ移行する過程で、大人がいかに乳児を睡眠に引き込みやすい環境を整えるかが、寝かしつけの成功につながると思われる。 本年度は、寝かしつける際よく行うとされている行動が、どのように組み合わさった場合に、引き込み現象が生起しやすいのかを、親子2組を対象に予備的観察を行った。生理指標については、普段の寝かしつけ場面を妨げないように、簡易計測可能な無線型計測装置を用いた。結果、養育者が、乳児の心拍数のリズムで乳児の体をとんとんとたたくと、乳児の入眠がスムーズであることがわかった。また、心拍数のリズムを大人主導で少しずつテンポを遅くしていくことも、乳児の入眠につながりやすかった。 これらのことから、睡眠時の呼吸速度への引き込み現象は、子どもの呼吸速度にあわせて子どもの体に揺らしや振動を与えることで生じやすいことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1歳前後の乳児とその養育者を対象とした実験のため、実験当日の本人及び兄弟の体調により、実験を実施することができなかった研究協力者が数人いた。乳児研究の難しさを痛感している。
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Strategy for Future Research Activity |
保育士が乳児を寝かしつける場面を対象にすることによって、子どもの月齢、首すわり、体重といった身体発達レベルの違いにより、寝かしつけ場面での大人―子ども間の身体的コミュニケーションにおける引き込み現象の生起過程、特に寝かしつけ要因(姿勢、揺らし、音楽)の影響力がどのように異なるのかを検討し、寝かしつけ場面における引き込み現象の生起過程の年齢による違いを明らかにする。
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Causes of Carryover |
観察協力者が、当初計画していた数よりも少なくなったため、実験実施やデータ分析における謝金分が予定額とは違う金額になってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度実施予定の保育園での実験では、実験補助やデータ分析がより多く必要となるため、次年度の謝金において使用する予定である。
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