2017 Fiscal Year Annual Research Report
Search for the drug-responsive aminoproduct during the perinatal period and analysis of its reactive mechanism.
Project/Area Number |
26350957
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加香 孝一郎 筑波大学, 生命環境系, 講師 (60311594)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | tele-メチルヒスタミン / モノアミンオキシダーゼ / ヒドララジン / トラニルシプロミン / リジン特異的デメチラーゼ 1 / フラビンアデニンジヌクレオチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本補助事業中に確立した手法を用いて、一昨年度第2の薬剤応答性アミノプロダクトとしてtele-メチルヒスタミン(t-MH)を同定し、その生成機序を解明、論文発表した。t-MHは、ヒスタミンが生体内でメチル化反応を受けることにより生成し、モノアミンオキシダーゼ(MAO)が触媒する酸化的脱アミノ化反応により不活性化する。本研究では、降圧剤として知られるヒドララジンが、マウス体内でMAOを阻害することを示した。 ヒドララジン同様にMAOの強力な阻害剤であるトラニルシプロミン(TCP)は、MAOの阻害を通じてt-MHをはじめ様々なモノアミンの代謝を抑制するだけでなく、ヒストンメチルリジン残基の酸化的脱メチル化酵素であるリジン特異的デメチラーゼ 1 (LSD1)の阻害剤でもあることが知られている。そこで、ヒドララジンもTCP同様に、MAOの酸化的脱アミノ化活性を阻害するのみならず、LSD1の酸化的脱メチル化反応も抑制する可能性について検討を行った。 MAOやLSD1は、その活性中心にフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を補酵素として共有結合しており、これらの酵素はFAD→FADH2の還元反応に共役して、モノアミンを脱アミノ化やメチルリジン残基の脱メチル化反応を酸化的に触媒する。合成メチル化ヒストンペプチドを基質としたLSD1のin vitro脱メチル化活性に対し、ヒドララジンのそれぞれの阻害効果を検討したところ、TCPに比べると弱いもののLSD1活性を阻害することが明らかとなった。
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