2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on communication network analysis in multilingual society in Tunisia
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26360027
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
中挾 知延子 東洋大学, 国際観光学部, 教授 (70255024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小早川 裕子 東洋大学, 国際教育センター, 准教授 (90459842) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会ネットワーク分析 / 多言語社会 / 多文化社会 / チュニジア / 情報コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度の社会ネットワーク調査のデータ整理と分析、まとめを行った。現地で調査に協力してもらったチュニジア人大学院生から受け取った300件のデータについて、定量定性の両面から分析を行った。チュニス県マルサ市の中産階級及び上流中産階級を主体に行った結果、該当する社会クラスの社会ネットワークに見られる一般的な特徴と、チュニジアの国勢を反映した考察が得られた。性別や職業などのデータの属性については論文中に記載予定である。 分析としては、言語使用に焦点をあてたエゴネットワーク分析、社会言語学的観点からの定性的な分析、言語使用における不均質性について分析を行った。最後の分析については、Agresti’s index of qualitative variation (IQV)を使用した。エゴネットワークの分析については、コレスポンデンス分析を用いて、話者同士の社会的なつながりと使用言語の関係を分析した。これら分析の結果は成果を記した論文に掲載する。 それと同時に、現地の調査協力者とオンラインで打ち合わせを重ねていく過程で、チュニジアでターゲットとしている社会クラスの人々は、地中海を臨む国や地域に移動して生活するようになり、規則的にチュニジアとその国を行き来しているため、それらの人々の言語使用の実態についても調査することを試みた。彼らは多言語話者であるとともに、チュニジアへ帰ってきたときに元来の地域住民に言語面で影響を及ぼしている場合もあるからである。そのためイタリア南部でも現地調査を行い、インタビュ―を通じて興味深い事実を得ることができた。これらの結果と考察は、今後発表していく予定である。
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