2015 Fiscal Year Research-status Report
ヒンディー語雑誌におけるインド近代表象とその歴史的変容
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26360032
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
小松 久恵 追手門学院大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80552306)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 近代インド / ヒンディー文学 / 雑誌 / データベース / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.国立ネルー記念図書館(デリー)、ナーガリー普及協会図書館(ベナレス)、ヒン ディー文学協会(アラハバード)にて、これまでの文献調査の補足を行った。 2.現地研究者ならびに文学者複数名と以下の4点に関する情報・意見交換を行った: ①雑誌所蔵先とその保管状態 ②インドにおける雑誌研究 ③ヒンディー女性文学 ④インド女性問題全般 ①ならびに②に関しては、現地の協力者からの情報に基づいてアラハバードの図書館で調査を行い、比較的良い状態で資料が保管されていることを確認した。同時に、ベナレスの図書館の資料保管状態が悪化していることも再確認された。③ならび④に関しては、インド女性問題をテーマとして作品を書き続けている作家、アルパナー・ミシュラ氏を再訪し、現代インドで女性が直面する問題について意見交換を行った。その成果の一部は彼女の作品「この世界の私たち」の翻訳、解題へとつながった。 3.他科研との共催で、国際ワークショップ「Representing Marwaris in 1920s-1930s India」を開催した。研究対象とする雑誌の特集号を一次資料とし、近代北インドにおける「他者表象」の分析ならびに「自己表象」との齟齬を提示した。この成果は、27年度中に英語にて出版予定であり、また10月に国際ワークショップ(45th Annual Conference on South Asia)で発表予定である。 4.収集した資料のうち、特に女性自伝・読者投稿欄に注目した。雑誌ごとの投稿の多寡や構成方法を整理するため、2000枚以上をデジタルカメラで撮影した。現在、収集した画像を整理中であり、それに基づいて海外学会発表(24th European Conference on South Asian Studies)を7月後半に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・国際ワークショップを一年遅れであったが開催することができた。 ・所蔵する資料をデータから紙媒体に変更できておらず、整理が不十分なままで止まってしまっている。 ・予期しない休館日や図書館員の不手際などで、地方図書館での作業が想像以上に進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.雑誌の読者投稿に関して資料の整理と考察を加え、7月に海外学会で発表(24th European Conference on South Asian Studies)を行う。研究発表のみならず、討議、今後の研究打ち合わせを行い、研究の発展をめざす。 2.インドの地方図書館(アラハバード中心)で資料収集を行うと同時に、当該図書館のライブラリアンや古書店主から雑誌所蔵に関する情報を収集する。 3.これまでに収集した資料の整理に力を注ぐ。学生アルバイトに依頼し、画像データを出力して雑誌ごとに整理分類する。 4.データベースの作成を行う。
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Causes of Carryover |
1.国際ワークショップを一年ずらして開催したため、それに伴って当初の予定であった国際学会への参加が一年遅れたため。 2.資料整理のため一定期間、学生にアルバイトを依頼する予定であったが、依頼が予定よりも短い期間となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.7月後半に一週間の予定で国際学会への参加を予定している。すでに発表申し込みは受理されている。 2.すでに5月よりアルバイトを依頼しており、引き続き資料整理を行ってもらう。
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