2016 Fiscal Year Annual Research Report
Support for Female Victims of Domestic Violence at the time of Disaster and role of Women's Shelter
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26360041
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
小川 真理子 大妻女子大学, 社会情報学部, 特別研究員 (50724746)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | DV(ドメスティック・バイオレンス) / 民間シェルター / 女性・子どもへの支援 / 東日本大震災被災地 / 行政・関係機関の連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
2001年のDV防止法施行から15年が過ぎ、我が国では行政中心のDV被害者支援制度が整えられてきた。2014年には第3次改正DV防止法が施行され、生活の本拠を共にする交際相手からの暴力、いわゆる「デートDV」が法の適用対象とされることになった。近年続発しているストーカー殺人事件の未然防止及び被害者支援を鑑みると、DV等の暴力被害者への適切な支援方法を身につけた者の育成、並びに、効果的な支援を行なう為の官民・官官の連携・協力体制の構築や地域のDV認識の向上が望まれている。現行DV被害者支援制度は、地域間における支援格差等多くの課題が指摘されているが、そのような中、東日本大震災被災地では民間シェルターの重要性が再認識された。 民間シェルターは、全国的なネットワークを活かし、同大震災直後からDV・性暴力ホットラインの実施、被災地のDV被害者への支援事業を行なってきた。2016年度は、第3次調査を実施し、同被災地の民間団体、自治体(C県、D市)、関係諸機関(婦人相談所、婦人相談員、虐待防止センター等)に聞き取り調査を行った。 病気、障がい、貧困等複数の問題を抱えるDVケースが増加傾向にあり、DV問題の複雑化が顕著になっていることが明らかになった。また、同被災地の地方部や沿岸部においては十分な支援体制が整っていないことが看取された。一方、同被災地の民間シェルターは、地方部や沿岸部へ出向き、DV予防講座や自治体職員への研修、DV相談を行い、DV被害女性が支援にアクセスできるよう支援を続けている。 2016年度には海外調査や国際学会での発表から国際的な研究動向を把握した。地方自治体における関係機関の連携体制の課題と複合的な困難をかかえるDV被害者への対応の難しさ、これらに対応する民間シェルターの支援の拡充や役割の増大が欧米の研究から看取された。
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Research Products
(6 results)