2014 Fiscal Year Research-status Report
ICT活用による里山フットパスの開発と農村振興への仕組みづくり
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26360066
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野村 久子 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (60597277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢部 光保 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20356299)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 里山フットパス / 世界農業遺産システム / ICT / インバウンド観光 / 農村振興 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は、3年間の研究の初年度として、まず第一課題である里山フットパスの特徴の分類化を行った。具体的には、現在、すでに既存する国内のフットパスを訪問あるいは資料を収集して分類化を行った。共同研究者並びに海外からの研究者と共に国内のフットパスについて整理を行った。最初のフットパスを導入した町田市を訪問し、実際に歩いてフィールド調査を行った。また九州では、今年九州フットパス協会が創設された。その阿蘇の拠点となっている波野のふれあい館において、フットパスの導入に係る試みや課題について聞き取りを行い、また、実際にフィールド調査を行い、情報を得た。また、その訪問には、外国の研究者からのフィードバックを受けて海外からの旅行者の視点も取り入れた。同様に、英国のフットパスの事例からフットパスの活用方法やマッピングする際の基準項目を整理した。そして、阿蘇をモデルケースとして農文化遺産システムとの接点を探った。 第2課題として阿蘇の地元から提供される情報の整理を行った。そのために、4月と11月に阿蘇の農村振興局と環境省の九州地方環境事務所と話し合いを行った。これは2年度に行う2つのデータ収集のための打ち合わせと、具体的なデータ収集の方法などについて合意を得るために大変有意義であった。1つ目は、海外からの旅行者を対象にした海外の旅行者が欲しい情報と地元で提供されている情報のマッチング、そしてICTを用いた観光ルートについてのアンケート調査によりデータ収集する。また、2つ目のデータは、環境学習で阿蘇の農文化システム維持継承について学んでいる小学生を対象とした啓発活動前後の阿蘇の草原を残すことに対する意識の変化についてアンケート調査から収集する。 初年度に行ったこれらのヒヤリングや基礎情報を基にH27年度は具体的にICTを用いた情報収集を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していたヒヤリングやフィールド調査による基礎情報の整理が順調に進められた。これらから得た情報を基にH27年度は具体的にICTを用いた情報収集を行っていく予定であり、予定通り調査が進んでいる。第5の課題であるフットパスの開発による観光促進の経済規模は最終的に阿蘇で行う予定であるが、すでに「歩くこと」によって実際にフットパスからの観光部門の経済的効果が生み出されている秋吉台を新たに研究比較対象地とした。当初の計画は予定通り進んでおり、また、新たに調査地を一か所増やすことは、計画面そして、予算面からも何ら問題ない。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度からの研究計画どおりフットパスのもたらす観光部門の経済的便益を評価するため、フットパスを楽しむ一般市民を対象にアンケート調査を行う。これは阿蘇と同様の草原が国定公園となってすでに草原を歩くフットパスのある山口の秋吉台国定公園の草原を対象とする。秋吉台は、非営利団体によって毎年草刈りが行われており、その結果、希少な植生が生まれている。自治体はフットパスを活用したカストロワークを提供している。フットパスのもたらす観光部門の経済的便益を評価する。自治体に11月の段階でアンケート調査の協力依頼をし、了承済みである。4月に正式依頼とアンケートのための情報提供、7月の準備調査を行い、10月に本調査を行う。また、阿蘇におけるデータ収集は、今後阿蘇の旅館、ホステル、ペンションから協力を得ており6月にアンケートを作成し、7月から1年かけて行う。また、小学生の環境学習については、環境省と検討してアンケート調査の時期を決めていく。
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Research Products
(2 results)