2014 Fiscal Year Research-status Report
野外ミュージアムの情報サービスデザインに関する研究
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26360070
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
阿部 昭博 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (70305291)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 観光情報学 / 周遊行動分析 / ミュージアム支援 / 地理情報システム / デザイン方法論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、持続可能な野外ミュージアムの運営基盤確立と普及に資するため、地域づくり、文化振興、観光振興を一体的に支援するシステムの情報サービスデザイン方法論を提案することである。具体的には、岩手県内の野外ミュージアムを実践フィールドとして、量的・質的手法を併用した見学者行動特性の分析と、新たな情報サービスデザイン実践をスパイラルに繰り返すことで、野外ミュージアムの特質を考慮した情報サービスデザイン方法論の導出を目指す。 本年度は、野外ミュージアムの多様な形態(現地保存型、移設・収集型、復元・建設型)を念頭に、岩手県内の3つの人文系施設・地区(平泉町の世界遺産群、北上市の民家園、岩手町の野外美術館)を研究フィールドとして選定した。これらの施設には、我々のこれまでの研究成果に基づいて開発されたスマートフォン向けガイドシステムが既に導入済みである。見学者の行動特性を分析するために、施設運営者や行政の協力を得て前述のガイドシステムからGPS周遊ログや情報閲覧ログ等の量的データを収集し、GIS(地理情報システム)ベースの独自ツールで分析可視化を試みた。この結果をもとに、データ収集と分析可視化に使用するツール群の改善や、見学者行動を観光行動の側面から分析する際のオープンデータ活用に係る課題等について整理した。くわえて、岩手町の野外美術館においては、ユーザ中心のデザインプロセスに立脚し、フィールド観察、インタビューといった質的方法と前述のログデータを用いた量的方法を併用することで、隣接する道の駅や観光施設からの誘客を促進する新たな情報サービスの開発に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
岩手県内の野外ミュージアム運営者や行政の協力が得られたことで、当初計画に沿って、見学者行動特性の分析とその知見に基づく新たな情報サービスデザインについて実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、岩手県内の施設・行政の協力を得て、量的・質的手法の併用による見学者行動特性の分析、情報サービスデザインの実践的研究に取り組む。新たに研究フィールドとして、盛岡、三陸地区を加える予定である。そして、27年度後半より情報サービスデザイン方法論の体系化に着手したい。
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Causes of Carryover |
野外ミュージアム運営者側から十分な協力を得られたことで、物品や謝金の支出を抑えることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
人文社会科学系の専門家や他地域の当事者から助言を得るための旅費等に充てる。
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