2016 Fiscal Year Research-status Report
森林機能を活用した快適空間の創造に関する研究-生活習慣病の予防に向けて-
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26360073
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Research Institution | Hokkai School of Commerce |
Principal Investigator |
田辺 隆司 北海商科大学, 商学部, 教授 (90360065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 晋司 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (20167670)
佐藤 博樹 北海商科大学, 商学部, 教授 (20261084)
宮下 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
阿部 秀明 北海商科大学, 商学部, 教授 (60183141)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 森林保養地 / 癒し効果 / イメージ評価 / 地域ブランディング / 予防医療 / コモンプール資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究メンバーごとの実績は、以下の通りである。1.森林保養地を有する地方自治体において、前年度の地域住民に対するアンケート調査に加えて、訪問者に対するアンケート調査を行った。(1)森林保養地への訪問回数と質問項目とのクロス集計およびCSポートフォリオから、森林保養地のあり方や独自性の構築について論じた。(2)訪問回数や性別ごとの森林に対するイメージ評価から、休養・保養のために適した森林景観について論じた。2.医療従事者に対して、森林風景写真による癒し効果の調査を行った。今年度は海辺の写真との比較を行い、医療施設の壁に大型の写真を貼付し看護師からの意見を収集した。その結果、写真に対して肯定的意見が多数を占めたものの、季節感のない海の写真に対する否定的意見も少数ながら見られ、これらから癒し効果についてまとめた。3.観光資源の適切な管理・運営の視点から、北海道への訪問者の観光行動による自然環境への影響を定量的に解析した。計測により観光地域の持つ許容能力から鑑みて、積極的にエコツーリズムや森林ツーリズム、グリーン・ツーリズムを推進することが、経済面・環境負荷からも望ましいことを論じた。4.全国最多の森林セラピー基地を有する長野県において、森林セラピー事業の現状と課題を検討した。また、森林セラピー基地を活用した観光まちづくりの先進事例として、信濃町の「癒やしの森」事業を取り上げ、森林保養地形成と観光まちづくりの成果等を検討し、自治体と地元諸団体、都市部企業等との連携による地域発展戦略を考察した。5.わが国の健康保養地における医療体制の実態をまとめ、生活習慣病予防のための健康の維持・増進活動について検証した。また、健康づくりのための国や地方自治体の施策の課題と展望について論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は3年間の計画で開始したが、2年目に実施したアンケート調査に加えて、3年目にも研究代表者が森林保養地で追加調査を実施した。そのため、1年間延長して、研究成果の論文化等は次年度に実施することした。研究成果の論文による公表は、以下の通りである。「研究実績の概要」の中の研究代表者の1.(1)については、学会誌への投稿原稿が近々完成の予定である。(2)については投稿原稿の考察を執筆しているところである。また、共同研究者として、8月の国際学会発表のための原稿作成を終わり提出したところである。さらに、研究分担者については、以下のとおりである。癒し効果等に関わる分担者は、上記の国際学会の主研究者として発表準備を進めるとともに、論文を執筆中である。コモンプール資源への環境負荷等、自治体と森林保養地の連携等、森林保養地における健康づくり等、を研究対象とする各分担者も、それぞれの研究成果を取り纏めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の積み残した課題について追加調査や資料収集を行うとともに、研究メンバーはそれぞれの研究成果の報告書を作成する。その後に、研究組織のメンバー全員で最終報告のための整理・総括を行い、さらに研究代表者が最終報告書を取り纏めることとしている。
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Causes of Carryover |
フィールド調査等によって得られたデータの解析・考察等に、長時間を費やした。そのため、計画していた調査の一部と研究成果の公表が未達成となり、予算の執行額が予定を下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、研究成果の国際学会発表、追加の調査や資料収集、最終報告書作成のための打ち合せ等のために、研究予算の執行が見込まれている。
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