2015 Fiscal Year Research-status Report
首都の中心業務地区における観光空間形成に関する計画学的考察
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26360084
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
榎戸 敬介 阪南大学, その他部局等, 教授 (60433091)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 都市観光空間 / 都市計画・デザイン / 経験経済 / テーマ化 / 中心業務地区 / 都市再生 / グローバル都市間競争 / 東京 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度のブリティッシュ・コロンビア大学における関連資料収集が順調に進んだため、今年度は、本研究の対象である東京中心部との比較検討のためロンドン中心業務地区においてフィールドワークを行った。研究計画に基づきThe CityとLondon Docklandsにおける都市再開発および観光空間形成の現状を把握する共に、上記大学で入手した情報に基づきその周辺地区を訪れ、歴史的建造物の保存、新たな都市観光資源の開発、文化やアートの役割、公共空間の再デザインなどについて把握した。また、ロンドンのBrunel UniversityおよびエジンバラのDundee Universityを訪れ、大学研究者や実務家と貴重な意見交換を行うことができた。ロンドンおよびエジンバラでのフィールドワークは本研究に関する重要な情報を得る機会となり、また今後の情報収集ネットワークを拡大するものとなった。 また、上記ブリティッシュ・コロンビア大学における研究では、大学図書館での資料収集の継続および都市計画分野の研究者との交流を通じて、グローバル都市の再開発や観光空間形成などについての最新の情報を収集することができた。同大学が所在するバンクーバー市では、中心業務地区周辺における文化的消費を中心とする観光都市空間の形成が進んでおり、観光空間化の進展において文化的な「首都性」の重要性を観察することができ、本研究を進めるうえで重要な示唆を与える都市であることを確認した。 国内では、本研究の応用として、Japan Studies Association of Canadaの東京大会における研究発表および東京大学社会科学研究所ISS Research Seriesと日本都市計画学会誌「都市計画」においてオリンピックと観光都市についての論文発表を行い、今後の研究の応用と発展性について思考を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国外フィールドワークでは予想した以上の情報を収集するだけでなく、研究ネットワークの構築を進めることができた。 研究内容については、国際学会および学術雑誌において本研究を応用する形で発表することができた。その結果、本研究が、当初想定していた以上に広範な社会科学的課題と関連することが分ってきた。 国内での情報更新は適宜行っており、新たな情報源の構築を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き国内での情報収集を継続するとともに、これまで構築した国際ネットワークを活用して最新の情報や事例の更新に努める。同時に、国外フィールドワークも継続し、現場での最新の動向把握を進める。また、国際比較を有効に行うための調査手法を検討していく。さらに、国内、国外での研究発表をさまざまな形で行い、本研究をグローバル都市論あるいは21世紀のメトロポリス計画論として位置づけていく。
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Causes of Carryover |
物品費が当初予定していたよりも少なくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、フィールドワーク追加のため「旅費」として使用する予定である。
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