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2016 Fiscal Year Research-status Report

グル―バルな規模で進む日本化を背景とした訪日外国人観光者の質的変容に関する研究

Research Project

Project/Area Number 26360091
Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

安江 枝里子  杏林大学, 外国語学部, 准教授 (00635617)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 村上 和夫  立教大学, 観光学部, 教授 (10157745)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords訪日観光 / 「日本化」 / 訪日外国人
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題の目的は「日本化」の進行を背景とする訪日外国人の質的変容を探ることである。平成28年度は、2点の成果があげられた。
①訪日外国人の質的変容を探る研究フレームワークの精緻化の一部として、訪日外国人の日常空間である彼らの母国に存在する大規模商業施設(ショッピングモール/ショッピングセンター)の理論的検討を行った。海外で進む「日本化」(日本系企業によるモノ・サービスである「日本文化商品」の消費を通じて、現地の人々の行動様式や商品を購入する際の基準などが変化すること、すなわち消費の文化的現象と仮定する)を理解するためには、日本国外における日本文化商品の消費の実態を探る必要がある。そこで、本研究課題では「日本化」を理解するための空間として大規模商業施設に着目し、タイ・バンコクのショッピングモールを事例としてショッピングモール空間の理論的検討を行った。この研究成果は平成28年度に学会にて発表を行っている。
②同様に海外での「日本化」の進行状況を把握するため、日本文化を紹介するイベント(例:「日本秋祭り in 香港」)等が開催され、訪日客も多い香港にて、前述したイベントの主催者である在香港日本国総領事館に香港における日本文化商品の普及等に関してインタビュー調査を実施した。また、香港九龍地区ならびに香港島地区において大型商業施設(若者向け大型商業施設や高所得者層向け大型商業施設)にて観察調査を行った。インタビュー調査と観察調査の結果を踏まえると、香港ではタイ・バンコクやマレーシア・クアラルンプールよりも日本文化商品の消費が早くから進行していたことが明らかになり、同時に日本系外食業商品の高価格化が進行していることが認められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本研究課題の目的は「日本化」の進行を背景とする訪日外国人の質的変容を探ることである。平成28年度は海外で進行する「日本化」の概念把握を進展させることができたが、本研究課題は、研究代表者による所属機関での業務多忙(海外出張の発生)ならびに所属組織の異動、研究代表者の病気治療による作業の遅延、研究分担者の役職変更による業務多忙などの理由のため、研究の遂行が当初の予定よりも遅れている。平成28年度に補助事業期間の延長申請を行い、補助事業期間を延長することが承認された。
より具体的な研究計画の遅れの理由は、①欧米の日本文化を紹介するイベント等を調査する予定であったが、研究代表者・分担者の出張の都合がつきにくいため、アジア地域で開催されるイベントに着眼点を移すこととした(平成28年度に主催者側にインタビューを実施済みである)②また、当初は平成28年度に訪日外国人にインタビュー調査を実施し、訪日前後の日本へのイメージのギャップ等を把握する予定であったが研究フレームワークの精緻化を進めた結果、インタビュー対象を再検討する必要性が発生したため、実施を見送った。再検討の結果、平成29年度に訪日観光者を積極的に受け入れている国内観光地・施設において、施設運営者と訪日観光者に対してインタビュー調査等を行うことを計画している。

Strategy for Future Research Activity

平成28年度は日本の外で消費の文化現象として進行する「日本化」の状況把握がリサーチの中心として据えられ、大型商業施設の役割の重要性とともに、海外で発生している日本文化商品の消費行動が人の移動(訪日行動)を誘発していることが示唆された。平成29年度は、これまで精緻化を進めてきた「日本化」の概念を整理し、学会・研究会や論文の形式で公表する作業を進める。同時に、海外で進行する「日本化」が潜在的な訪日観光者の意識にどのような影響を与え、さらに実際の訪日観光行動をどのように誘発しているのかを明らかにするため、訪日外国人観光者を積極的に受け入れている観光地・施設等(訪日外国人客向けの簡易宿所や訪日外国人観光者が多い地方温泉観光地など)を中心に、訪日外国人観光者ならびに施設運営者にインタビュー調査を実施する予定である。
年度内には「日本化」の概念を整理し、実証データを収集・分析を実施し、論文として公表することを目指す。

Causes of Carryover

平成26年度から28年度の補助事業期間の研究成果を検討した結果、当初の研究計画より調査実施内容に変更が発生したためである。具体的には、留学生などの訪日外国人に対するインタビュー調査を計画していたが、研究フレームワークの検討・精緻化を進めた結果、調査対象者を留学生等の訪日外国人から、積極的に訪日外国人観光者の受入を推進している国内観光地・施設の運営者ならびにそこでの施設利用者へと変更予定である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

積極的に訪日外国人観光者の受入を推進している国内観光地・施設の運営者ならびにそこでの施設利用者に対象とした現地調査(インタビュー調査含む)を実施する予定である。具体的には①国内旅費(長野県湯田中温泉地、石川県金沢等の歴史観光地、東京都内の簡易宿所ほか、国内学会発表旅費・金沢ほか)②インタビュー謝礼・データ整理に伴う人件費、③関連文献購入費用、④その他消耗品など、である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016

All Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] ショッピングモール再考:「日本文化商品」と訪日観光者をめぐる 一試論2016

    • Author(s)
      安江枝里子 村上和夫
    • Organizer
      日本観光研究学会第30回全国大会
    • Place of Presentation
      千葉県流山市, 江戸川大学
    • Year and Date
      2016-12-03 – 2016-12-04
  • [Presentation] 世界各国で進む生活の『日本化』と国内観光地の変容2016

    • Author(s)
      安江枝里子
    • Organizer
      杏林大学外国語学部第62回アカデミア
    • Place of Presentation
      東京都三鷹市 杏林大学井の頭キャンパス
    • Year and Date
      2016-11-02 – 2016-11-02
  • [Presentation] 訪日観光客の増加から観光地経営を考える2016

    • Author(s)
      村上和夫
    • Organizer
      立教大学観光研究所観光地経営専門家育成プログラム
    • Place of Presentation
      東京都豊島区 立教大学観光研究所
    • Year and Date
      2016-09-25 – 2016-09-25
    • Invited

URL: 

Published: 2018-01-16  

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