2017 Fiscal Year Annual Research Report
Transforming tourism spaces and tourists in the era of globalization-A study on inbound tourism to Japan with a focus on 'Japanization'
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26360091
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
安江 枝里子 杏林大学, 外国語学部, 准教授 (00635617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 和夫 立教大学, 観光学部, 教授 (10157745)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 訪日観光者 / 「日本化」 / 宿泊施設 / 革新 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は急増する訪日観光者を受け入れる日本の観光関連施設、特にゲストハウス・ホステルなどの廉価な宿泊施設のサービス変容ならびに空間の機能変化について検討を行った。 ①訪日観光者の受け入れを目的として改装された旅館(湯河原温泉郷)を対象に、これまでの既存の温泉旅館や温泉街の景観とは異なる観光地の景観が創出されていることを指摘した。国内の観光地が、既存の歴史的・文化的文脈や固有性から切り離され、グローバルな観光者の「まなざし」を意識した観光空間(「脱文脈化した風景」)に変容しつつあることを指摘した。②東京都台東区浅草の2015年に訪日観光者向けに開業したホステルを事例に、宿泊施設のパブリックスペースの交流機能を検討し、既存ホステルにはみられない宿泊者と地域住民の交流が発生する付帯施設(例:居酒屋)の登場を指摘した。③今後の研究の方向性として以下の点が提示された。訪日観光者の受け入れやニーズを踏まえた宿泊施設ならびに提供サービスの出現に対して、国内のゲストハウス・ホステルなどの簡易宿所を事例に「製品アーキテクチャの革新」の概念の適用可能性を指摘し、国内の訪日観光者の増加によって出現しつつある日本の新たな宿泊サービスや技術革新の分析方法を提示した。
補助事業全体の成果としては以下の通りである。日本国外で進む「日本文化商品(サービスも含む)」の消費の文化的現象である「日本化」が進行する社会における訪日観光者の志向的特性としては、①「日本的な対象」への志向と②「施設・サービス」への志向の2つがあげられる。同時にこれらの志向的特性が生成される場として、訪日観光者の母国での消費空間が重要な役割を果たすことが指摘された。さらに、訪日観光者の増加は、国内の観光産業・観光地にも変容をもたらしていることが宿泊施設での提供サービスの事例を通じて示唆された。
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Remarks |
高校生・大学生対象夏季集中講座「『英語』から日本の観光の魅力を探る」(杏林大学井の頭キャンパス)を実施(2017年8月23日)。 高校生対象講義「世界から見た日本:外国人旅行者が感じる “日本の魅力”」(東京都立深沢高校)を実施(2018年3月16日)。
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Research Products
(4 results)