2015 Fiscal Year Research-status Report
伝アリストテレス作『大道徳学』のギリシア語テキストの研究
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26370020
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新島 龍美 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 准教授 (50172606)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アリストテレス / 『大道徳学』 / ギリシア語テキスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アリストテレスの作品として伝えられてきた『大道徳学』(Magna Moralia)について、現存するギリシア語写本を収集、校合し、新たな批判校訂本を作成、刊行することによって、アリストテレス倫理学研究の更なる進展の基礎を提供する試みである。本年度は、前年度の研究を受けて、収集されたギリシア語写本の書誌情報の解明を続けると共に、テキストの解読を進めた。 「アリストテレス著作集 Corpus Aristotelicum」に含まれる諸著作及びそれらに関するギリシア語註解を含む写本として、現在までの所、2,700本を超えるものが報告されている。このうち『大道徳学』のテキストに関係する写本は43本、それに短い抜粋を含む二つの写本の存在が報告されている。これらの写本の内、本年度中に調査が可能であったものについて、その基本情報の一部を以下に抜粋する。(尚、平成26年度に調査したものに関しては割愛している。)
<Cambridge>:Cambridge University Library 2. Cant. U. L. Dd. 4. 16 (191);1441年。Nikolaos Sekundinos作成(Harlfinger, Textgeschichte, 416 ) ∥Wartelle 398; Cambridge University Library, cod. 191 (Dd. IV. 16). anno 1441. 327 fol. Chart. In--4o. VV cum comment. (6); de Caelo (16vo); EN fragm. ex omnibus libris (17); fragm. libri primi Rhet. (62--72); de Mundo ad Alex. (87--88); fragm. Rhet. Al. et libri tertii Rhet. (99--129vo); intersunt tres epistolae Aristt. (111); Rhet. Al. (192); fragm. ex Politica (227--232); fragm. ex MM (286 vo--287).∥AGI :1441年。紙。高さ212mm×幅142mm。ff. 328. 罫線23行(ff. 12--291v)。透かし模様;円の中にギリシア十字(ähnlich Br. 5575 (Rom 1456, mit Varianten Italien 1457--77, Graz 1461))。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
伝アリストテレス作『大道徳学』のギリシア語テキストを含む写本を,各国の所蔵図書館に照会し、PDF形式やゼロックス・コピーの形で入手可能なものを入手し、書誌調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの作業を継続し、更なる資料調査を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度に発注した図書の刊行遅延によって残額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度中の刊行が見込まれており、使用可能と考えられる。
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