2015 Fiscal Year Research-status Report
ベーシック・インカムとESDとの哲学的連関についての日独共同研究
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26370025
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
別所 良美 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (10219149)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ベーシック・インカム / ESD / 持続可能な開発のための教育 / 民主主義 / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には、民主主義とBI(ベーシック・インカム)とESD(持続可能な開発のための教育)との相互連関に関する平成26年度の成果を踏まえ、ESDに関するドイツの動向調査およびBIに関するドイツ研究者との研究交流を行った。2015年夏(8/30-9/17)のドイツ出張において、ブッパータール研究所、サスティナブル・サマースクール、フォルクスワーゲン社を調査訪問し、リューネブルク市のロイファナ大学ではクレメンス・マーダー教授から同大学でのESD実践について説明を受け、ハンブルグ市においては同市環境エネルギー局と市民団体が主催するESDに関するGAP会議に参加し、ハンブルグ市民の持続可能性への取組活動を調査した。またBIに関してはデュッセルドルフ大学の島田信吾教授と高齢化社会におけるBIの意義について説明を受け、アラナス大学のリーバーマン教授のBIシンポジウムに参加し、BIと環境問題と民主主義について議論した。また2015年10月31日には中国から二人の日本思想史研究者を招き、持続可能な社会を実現するための思想史的可能性を探るため名古屋市立大学においてシンポジウムを行った。2015年12月2日には、マーダー教授(ロイファナ大学)にユネスコのグローバル・アクション・プラグラムGAP(2015-2019)の進展状況についての講演を名古屋市立大学において行っていただいた。さらに2016年3月26-27日には水俣市を訪れ、同市がその負の遺産に向き合うことによって「環境モデル都市宣言」(1992年)以来さまざまな環境への取り組みと地域再生・活性化の取り組みを行ってきた経緯について調査した。 ドイツにおけるBIとESDの運動が具体的には民主主義の活性化として進展している状況が明らかにないると思われる。日本においてもBIとESDとを、理論面でも実践面でも、内的に結び付けることが今後の研究方向として明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年9月に行ったドイツ出張では大きな成果があった。ESDに関して理論面ではヴッパータール研究所、実践面ではハンブルグ市のGAPシンポジウム参加が内容的にも人的関係でも大きな成果があり、BIに関してはリーバーマン教授(アラナス大学)との理論的な共同討議を通して全体的な連関が明確になった。特に来年平成28年度の研究遂行計画が明確化できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、6月末・7月初にリーバーマン教授を日本に招へいして名古屋と京都で研究会・シンポジウムを行い、また東京でも関係研究者と意見交換会を持つ計画である。この企画を中心に、BIとESDとを民主主義に焦点を当てて関係づけるという理論的作業に一応のまとまりをつける予定である。
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Causes of Carryover |
ドイツ・ロイファナ大学のマーダー教授の名古屋への招聘を、同教授が国連大学への会議出席で来日された機会に名古屋市立大学に立ち寄っていただく形で行ったため,同教授の旅費が節約できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
6月末に開催予定が決定しているリーバーマン教授のドイツからの招聘がベーシック・インカムに関するテーマのものとなり、ESDとの関係で再度研究者を招聘して会議を開催するための追加費用として使用する。
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Research Products
(2 results)