2016 Fiscal Year Annual Research Report
Phenomenological Approach to the Love of the World
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26370031
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 一郎 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00230061)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 世界への愛 / ハイデガー / アーレント / ニーチェ / 『愉しい学問』 |
Outline of Annual Research Achievements |
「世界への愛をめぐる現象学的研究」の最終年度である2016年度は、これまで以上に実り多い一年であった。まず、2016年4月刊の日本哲学会編『哲學』に「政治に対する哲学する者たちの応答可能性」を寄稿し、これに基づいて、5月に京都大学で開催された日本哲学会大会シンポジウム「哲学の政治責任」で、提題者を務めた。6月には実存思想協会大会で、7月には岩手哲学会大会で、それぞれ公開講演者を務めた。9月にはギリシャ哲学セミナーの大会シンポジウムで、12月には河合臨床哲学シンポジウムで、それぞれ提題者を務めた。 論文としては、『現代思想』の2016年11月臨時増刊号(木村敏特集)に「取り返しのつかなさと時間性」を、同じく『現代思想』2017年1月臨時増刊号(九鬼周造特集)に「形而上学的時間と歴史的時間」を、それぞれ寄稿した。さらに、『理想』2017年3月号(九鬼周造特集)にも、「禁欲主義と実存の美学」を載せた。 出版物としては、2014年11月刊の『ハイデガー読本』の続編として、2016年5月に、秋富克哉・安部浩・古荘真敬との共編で『続・ハイデガー読本』を法政大学出版局から刊行した。森は「序」も執筆するなどして編集の中心を担った。7月にやはり法政大学出版局から出た『リクール読本』では、「リクールとアーレント」の章を担当した。 しかし何といっても本年度の一番の成果は、2017年1月に、ニーチェ『愉しい学問』の新訳を、講談社学術文庫として刊行したことであろう。直後に二刷りとなるなど、読書界に好評をもって迎えられた。3月には、八重洲ブックセンターで出版記念イベントを催した。 三年間の研究の締めくくりとして、2017年3月には、A4判で150頁近くに及ぶ研究成果報告書を作成し、印刷に付した。
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Research Products
(12 results)