2014 Fiscal Year Research-status Report
遺稿調査にもとづくジャック・デリダの脱構築思想の生成史の解明
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26370037
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
亀井 大輔 立命館大学, 文学部, 准教授 (80469098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 雄二 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (30466817)
宮崎 裕助 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40509444)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / フランス:アメリカ / 脱構築 / 哲学 / 現代思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年はジャック・デリダの没後10年という節目の年であったため、国内外でのシンポジウムやワークショップ(ニューヨーク・フォーダム大学でのデリダ・トゥデイ第4回大会や、パリ、上海での国際会議など)に参加し、日本のデリダ研究を国内外でネットワーク的に展開した。早稲田大学での4日間にわたるデリダ没後10年シンポジウムでは、アメリカでのデリダ研究の第一人者であるロドルフ・ガシェ氏を招聘し、講演会を開催した。また2013年に刊行されたデリダの1964―65年度の講義原稿『ハイデガー――存在の問いと歴史』についての報告を合同ワークショップ「デリダ×ハイデガー×レヴィナス」にて行ない、日本現象学会にて同資料を主題とするワークショップ企画を提案し開催した。また成果の公表としては、岩波書店『思想』において総特集「10年後のジャック・デリダ」が編集され、そこにデリダについての論考や共同討議を発表した。同じく『現代思想』のデリダ特集号「デリダ 10年後の遺産相続」には、上記『ハイデガー』講義や『獣と主権者II』講義などについて考察を展開した論考を発表した。さらに研究活動の一環として、デリダの2001―2002年度の講義原稿である『獣と主権者1』の翻訳を行ない、刊行した。また、同講義の内容解説を中心とするワークショップを開催した。同じく『哲学への権利I』の翻訳を刊行した。以上2著の続刊および『ハイデガー』講義の翻訳刊行も準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、デリダ没後10年という機会にデリダ研究をネットワーク的に展開することができた。国内では2つの特集号に寄稿することで、大きな成果を残すことができた。遺稿研究という点で言えば、初期の『ハイデガー』講義についての発表やワークショップ開催、後期の『獣と主権者1』の翻訳刊行およびワークショップ開催によって、重要な成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
アメリカ・フランスでの遺稿調査を行なうことで遺稿研究をさらに展開するとともに、国内を中心にシンポジウム等での成果発表を行なう。また、国外からの研究者の招聘によってデリダの動物論についての連続講演会を開くなど、研究者交流を深める。
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Causes of Carryover |
初年度に予定していた物品購入の一部を次年度に繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
フランスより研究者を招聘するために旅費他を使用する。アメリカ・フランスでの遺稿調査のため旅費を使用する。前年度に達成できなかった物品購入を行なう。
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