2016 Fiscal Year Annual Research Report
Basic Research for the Investigation into the Early Tibetan Logic
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26370059
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
福田 洋一 大谷大学, 文学部, 教授 (00181280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 尚敬 愛知学院大学, 文学部, 講師 (80712570)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | チベット論理学 / カダム派 / ゴク・ロデンシェーラップ / チャパ・チューキセンゲ / サキャ・パンディタ / チョンデンリクレル |
Outline of Annual Research Achievements |
2002年にラサのデプン寺の十六羅漢堂から発見されたカダム派の写本が、現在までに120巻刊行された。その中に初期チベット論理学書が27点含まれていた。そのほとんどがこれまで失われたと考えられていたテキストであった。14世紀末にゲルク派が成立すると、これら初期チベット論理学はゲルク派の論理学に吸収され、どのような経緯でカダム派の学僧がインドの論理学を受容していったかは忘れ去られていった。新出文献はその空白の期間のチベット論理学形成史を解明する基礎資料となる。しかし、それらは草書体の写本で難読であり、しかも現在知られているチベット論理学とは様相を異にしているために、研究は進んでいなかった。 本研究課題では、これらの写本のチベット論理学の主なものををチベット人研究者の協力を得てコンピュータに入力し、テキストデータを公開するとともに横断的な検索サイトを構築した。これまではごく少数の研究者が自ら研究する少数のテキストのみを入力していただけであったが、このような難解な文献は多くの研究者が様々な角度から研究しなければ、文脈を理解することは難しい。それゆえ、批判的な校訂テキストを作成したわけではないが、ほとんどの論理学文献をテキストデータ化できた意義は大きい。 さらにこれらのテキストデータを元に全てのテキストデータを横断的に検索することができるサイトを構築したことにより、ある特定の概念が他の文献でどのように使用されているか、あるいは年代的にどの時代の文献に使われているか、いつから使われ始めたか、などを瞬時に調査することが出来る。 本研究課題の研究実績により、今後は個々のテキストの校訂や解読、特定の概念の使用法の解明などに多くの研究者が取り組めるようになった。
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Research Products
(14 results)