2016 Fiscal Year Annual Research Report
From the idea of "post" nation-state to the idea of "alter" nation state: Historycal development of transnationalism in modern Japan
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26370085
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
芝崎 厚士 駒澤大学, グローバル・メディア・スタディーズ学部, 准教授 (10345069)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際文化交流 / トランスナショナリズム / 市民社会論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、北海道函館周辺での聞き取り調査の継続、伊藤憲宏氏をはじめとする会議関係者への聞き取り作業などを中心に、資料収集を進めつつ、最終的な研究成果の完成のための準備を進めた。 6月には北海道函館で多くの関係者への取材を行い、複数の関係者から長時間にわたるインタビューを行い、貴重な資料の提供を受けた。函館の国際交流活動は箱根会議の前史にあたるが、この部分を独立させた研究論文も準備中である。 さらに7月には日本国際文化学会の研究大会において、箱根会議について回顧するパネルを設け、平野健一郎、秋尾晃正、池田誠、高橋良輔の四氏を迎えて代表者の研究報告と討論を行うことで、箱根会議研究の中間報告を広く世に問う機会を得ることができた。箱根会議の立役者であった平野氏、秋尾氏、現在の国際交流の最前線に立つ池田誠氏、そして現在の市民社会活動の実践と研究を同時に行っている高橋氏が一堂に会することで、箱根会議の現在史的な意義を立体的に浮き彫りにすることに成功したといってよいディスカッションであった。 これに加えて、会議の中心人物の一人であった伊藤憲宏氏の思想を跡づけるために、きわめて入手困難になっていた同氏の論考2編を、代表者の解題を加えて学部論集において復刻し、同時に伊藤氏に対する長時間にわたるインタビューを試みた。伊藤氏の国際関係思想の発展は、そのまま箱根会議の思想的な意義と重なる部分も多いと同時に、在野の立場からグローバルな世界を考える独自の視点を歴史的に再評価する必要性も再発見できた。 研究実績については、最終的な成果を単著として刊行する計画を立案し、出版社とも相談を進めている。研究の最終年度内における刊行は叶わなかったものの、今後も調査を継続して、1,2年以内には研究成果を刊行する予定である。
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