2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mongolian Christianity and the history of the Bible translation
Project/Area Number |
26370088
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Research Institution | Seisen Jogakuin College |
Principal Investigator |
芝山 豊 清泉女学院大学, 人間学部, 教授 (20320947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 洋樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00223991)
都馬 バイカル 桜美林大学, 人文学系, 准教授 (00434457)
荒井 幸康 北海道大学, スラブ研究センター, GCOE共同研究員 (80419209)
滝澤 克彦 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (80516691)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モンゴル / 思想史 / 聖書 / 翻訳 / キリスト教 / 文化交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
モンゴルにおけるキリスト教は、モンゴル帝国時代における所謂ネストリウス派の受容以降、カトリックとの接触、19世紀以降のプロテスタント宣教や現代における福音派の流行に至るまで、モンゴル民族と非モンゴル社会を結びつける一つの文化的結節点として歴史上重要な役割を担ってきた。しかし、これまでモンゴルのキリスト教思想の全体像を整理し、モンゴルの文化や思想に与えた意義を明らかにしようとする本格的な研究は行われてこなかった。本研究では、19世紀初頭からのモンゴルにおける聖書翻訳の歴史を詳細に検討しなおすことによって、東西思想交流史におけるモンゴルのキリスト教思想の歴史的意義を明らかにすることを企図した。国内はもとより、モンゴル国、カルムィク共和国、ロシア連邦、中国、内モンゴルにおけるモンゴル語訳聖書に関する多様な資料を収集、データベース化するとともに、最新の聖書翻訳理論も視野に入れつつ、モンゴル語聖書翻訳の歴史的影響関係、現代モンゴル語訳聖書の各版における訳語、文体の比較、カテキズム等との影響関係等について明らかにした。2015年ウランバートルで開催したInternational Symposium on "Bible Translation and the Intellectual History in Mongolia"を中心とする研究成果は、2017年『聖書翻訳を通して見るモンゴル 東北アジア宗教文化交流史の文脈から』によって公刊した。また、2016年東京で開催したシンポジウム「モンゴル語訳聖書とアジアのキリスト教文化」を中心に、仏典翻訳や日本語方言での翻訳実践等の翻訳文化全体からの観点を含むより広い視野での研究成果については、現在、もうひとつの出版物の刊行準備を進めている。
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