2017 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural exchange between Indian and Persian music: A Study on the developing process of Hindustani music
Project/Area Number |
26370093
|
Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
田中 多佳子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70346112)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 正人 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20449622) [Withdrawn]
二宮 文子 青山学院大学, 文学部, 准教授 (40571550) [Withdrawn]
北田 信 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (60508513) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 北インド音楽 / ペルシア語文献 / ムスリム / サントゥール / ヒンドゥスターニー音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、研究会は開催せず、各自が研究を集約して公表することに専念した。論考としては、北田が “Music Therapy Mentioned in the Sarmayah-i‘Israt”など2点を著し、二宮は学会誌に「『アーイーニ・アクバリー』に見られるムガル宮廷での音楽」と題する論考を投稿中である。全期間を通じ、研究テーマの重なりが大きかった井上春緒氏(京都大学研究員)が同席し、議論や情報交換に加わり、特に実施できなかったカシュミール調査について、2015年に遂行した氏より情報提供を受けることができた。田中・二宮は井上氏と共に東洋音楽学会大会にて「北インド古典音楽の形成過程におけるペルシア音楽の影響に関する共同研究」と題した機会を持ち、各々の研究成果を発表した。 研究期間全体を通して明らかとなったのは次の5点。すなわち、(1) ペルシア語・初期ウルドゥー語等の音楽文献には、サンスクリット語文献の強い影響を受けながらもムスリム独自の理解や表現も見受けられること、 (2)ムスリムの歴史書や宗教家列伝など音楽以外に関する文献には、従来のインド音楽史には登場しなかった軍楽や宗教音楽などの豊かな音楽世界への言及があること、 (3)ヒンドゥスターニー音楽の旋法理論ラーガやリズム理論ターラ、楽器などの歴史的変遷や伝播の本質的理解のためには、言語的・時代的・宗教的・地域的な背景の違いを踏まえた上で、種々の文献情報を総合的に比較・検討する必要があること、(4)そのためには共同研究によるデータベース化という手段が有効であろうこと、(5)西アジア・中央アジア・北インドの三つの文化圏の接点上にある楽器サントゥールは注目に値する研究対象であり、これらの地域をまたぐ共同研究が可能となる日を待たれること、である。
|
Research Products
(9 results)