2017 Fiscal Year Annual Research Report
Rethinking Twentieth-Century Russian Music
Project/Area Number |
26370103
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Research Institution | Sapporo Otani University |
Principal Investigator |
千葉 潤 札幌大谷大学, 芸術学部, 教授 (80433473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 紀雄 工学院大学, 工学部, 講師 (20323462)
森 泰彦 くらしき作陽大学, 音楽学部, 准教授 (90191006)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ロシア / 社会主義 / 冷戦 / 日ソ文化交流 / 演奏史 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は研究の最終年度として、これまでの成果に基づき、各研究者の分担テーマについての研究成果を総括した。1.千葉は、ソ連前衛音楽の研究の継続として、ウクライナの現代作曲家シリヴェストロフの創作を取り上げた発表を行った。また、モスクワ・サンクト・ペテルブルクへの研究旅行を実施して資料調査を進め、最後にソ連前衛音楽の展開についてのこれまでの研究成果を「ソ連前衛音楽の様式的転向はなぜ、どのようにして生じたのか」として発表し、科研報告書論文にまとめた。2.森は、イギリス研究旅行を2度に分けて行い、イギリスにおけるソ連音楽の受容史に関する資料調査を行った。さらに科研での研究成果を「20世紀後半の演奏様式におけるソ連の影響」として総括する発表を行い、科研報告書論文にまとめた。3.梅津は、日ソの文化交流の観点からの研究を継続的に行いつつ、ロシア革命100周年も機として、これまでの研究成果にもとづいて、論文「芸術音楽から見たソ連 雪どけ期のショスタコーヴィチを中心に」をまとめ、ソ連時代の音楽界を、政策史の観点から概観した。社会や体制とのインターラクティヴな関係の一端は、「伝記史料とイメージ操作 二十世紀ロシアの作曲家の自叙」においても叙述した。4.中田は「ソヴィエト・オペラ」を普及状況から考察するために、モスクワの歌劇場の上演状況を調査した。調査の過程で集まった資料より、最終的には1917~71年のボリショイ劇場に特化し、論文「『ソヴィエト・オペラ』は成立したのか:上演記録(1917~71年)から見るボリショイ劇場の場合」(本研究プロジェクト報告書に掲載)をまとめた。5.森田は、研究協力者として科研メンバーの発表に有益な助言を行った。また日本におけるロシア音楽研究者の第一人者としての立場から、千葉との対談形式で、戦後日本におけるロシア音楽受容の状況について報告した。
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