2015 Fiscal Year Research-status Report
万博に見る芸術の政治性-紀元2600年博の考察と国際比較を中心に
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26370118
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
暮沢 剛巳 東京工科大学, デザイン学部, 准教授 (80591007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 光紀 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (10348451)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 芸術諸学 / 万博 / 紀元2600年 / 前衛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の概要は以下の通りである。1940年に開催が計画されながら実現しなかった紀元2600年記念日本万国博覧会(以下紀元2600年万博)について、主に芸術の政治性という観点から考察するために、資料の収集と整理を行う。次いで、紀元2600年万博を当時の国際的文脈に位置付けるために、同時期に開催が計画されながらやはり実現されなかったローマ万博とベルリン万博について考察する。 3年計画の2年目に当たる本年度は、初年度の基礎作業を踏まえて、それをさらに発展させることを目的とした。具体的には、初年度の時点で10前後まで絞り込まれていた研究テーマをさらに各自5程度まで絞り込み、深化させることにつとめた。また本年はイタリアへと足を運び、ローマ万博の開催予定地での現地調査に加え、開催中であったミラノ万博の現地調査も合わせて行い、多くの情報を収集した。なおこの調査には、研究代表者である暮沢と研究分担者である江藤の2名のほか、研究協力者である鯖江秀樹も同行した。 本研究の成果の一部は、すでに学会発表や論文などの形式で公表されている。 暮沢と江藤が2011年から2014年にかけて行った先行研究「大阪万博における前衛芸術―考察と国際比較」は最終年度の翌年に書籍化されたが、本研究も同様に最終年度の翌年に書籍として出版する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度のフランス、ドイツに引き続き、27年度はイタリアでの現地調査を行ったが、研究協力者である鯖江秀樹の助力を得て、多くの情報を収集し、当初の目的を達成することができた。研究成果の一部は既に学会発表や論文などの形式で公表されており、最終年度の翌年に研究成果をまとめた書籍を出版するという本研究の最終目標は十分に実現可能な状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度のフランス、ドイツ、27年度のイタリアに引き続き、28年度は暮沢、江藤の両名による中国での現地調査を計画しており、引き続き情報収集を進める予定である。研究成果に関しても、今後随時論文などの形式で発表し、最終目標である書籍の出版に向けて蓄積を図る方針である。
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Causes of Carryover |
27年度はイタリアへの出張を行うにあたり、暮沢と江藤の2人に加え、本研究の研究協力者である鯖江秀樹にも同行してもらうこととしたため、その諸経費を暮沢の研究費に含めて計上したが、鯖江の滞在期間が予定より短かったこともあり、旅費が想定を下回ったほか、物品費の購入額も想定を下回ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度である28年度は中国・満州地区での現地調査を計画しているため、その旅費としての使用を中心に考えているほか、研究上必要な資料は今後も積極的に購入する。また暮沢、江藤とも必要に応じて国内外各地への単独出張も実施するほか、研究協力者である鯖江にも引き続き協力を要請する予定である。
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Research Products
(7 results)