2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26370126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鴈野 佳世子 東京大学, 史料編纂所, 研究員 (40570065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京都 絵美 東京藝術大学, その他の研究科, 講師 (40633441)
吉田 直人 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, 研究員 (80370998)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本画 / 復元 / 美術史 / 文化財保存学 / 文化財科学 / 博物館学 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者・分担者・連携研究者による全体研究会を実施し、基本的な研究方針を決定した。 現代における日本絵画の復元の実態を把握するため、初年度は文化庁、東京芸術大学、愛知県立芸術大学などの関係機関への取材を行った。日本絵画の復元については文化庁が事業としての取り組みをはじめて間もなく、報告書の形式や復元の判断基準も曖昧である等、現状の問題点を確認することができた。美術大学では、主に外部からの受託研究や博士研究として復元模写制作が行われており、文化財保存や個人の研究としての復元事例が蓄積されつつある。今後は目的に応じた復元手法や成果物の公開と活用手法にも意識を向ける必要性を確認した。取材先では本研究二年度以降の研究会やシンポジウムへの協力を要請し、関係機関との連携を強めることができた。今年度は文化財保存、教育研究、宗教的な目的による復元事例について概要を把握することができたため、次年度以降は商業や観光資源的な要素の強い復元事例、それらの制作に関わる企業等の取材を行い、復元に関して総合的な基礎調査を進める計画である。 その他、実際に文化財の復元展示を公開している施設の見学、情報開示や一般の評価・理解についての調査を目的として、鶴林寺太子堂壁画、名古屋城障壁画、青蓮院青不動の復元展示を視察し、資料を収集した。具体的な作品の復元に関しては東京芸術大学による法隆寺金堂壁画の復元、琉球王朝御後絵復元プロジェクトと連携し、復元手法や公開方法の検討を行った。また、代表者および分担者の編著作『日本画 名作から読み解く技法の謎』の中で、日本絵画の復元に関わる諸問題と意義について論述した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
復元に関わる機関への取材を行い、現状を把握することができた。特に現代の文化財復元に関わりの深い博物館・美術館・企業・工房などの情報を整理することができたため、二年度以降の調査対象を絞り込むことができた。 東京芸術大学が行った法隆寺金堂壁画復元や、美ら島財団が進めている御後絵復元プロジェクトとも連携し、制作から公開まで手法の検討に携わるなど、具体的な復元プロジェクトの現場とも関わりながら研究を進めており、おおむね順調に進展したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
復元に関しては理念や評価の土台が固まっておらず、報告書についても基準がないため、先行する復元事例の記録の調査は難しいことがわかった。そのため、二年度以降も引き続き関係機関や技術者への取材を中心に基礎調査を進めることとする。 二年度は実技系の美術大学で復元に携わる若手研究者を中心に、ミニシンポジウムの開催を企画している。
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Causes of Carryover |
初年度は比較的東京近郊の取材・調査が中心となったため、旅費等に余剰が生じた。また、研究会での招待講演を行わなかったため、講演者謝金として計上していた費用等に余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
二年次にシンポジウムを開催する計画があるため、会議費、運営費、および遠方の講演者の旅費・謝金に使用する計画である。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 日本画・仏画の基礎知識2014
Author(s)
京都絵美
Organizer
川崎市教育委員会文化財課ボランティア養成講座
Place of Presentation
かわさき宙と緑の科学館
Year and Date
2014-11-28 – 2014-11-28
Invited
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