2016 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental research about restoration of Japanese paintings
Project/Area Number |
26370126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鴈野 佳世子 東京大学, 史料編纂所, 特別研究員 (40570065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 絵美 (京都絵美) 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 講師 (40633441)
吉田 直人 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 室長 (80370998)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 復元 / 美術史 / 文化財保存学 / 博物館学 / 日本絵画 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度も引き続き、復元に関わる関連機関や技術者への取材および多分野にまたがるテーマを取り上げたワークショップの開催を継続した。研究期間中に行った基礎調査とワークショップの成果報告については、文化財保存修復学会全国大会にて発表を行った。 28年度のワークショップとしては、12月に「資料調査の方法を知る」と題して科学調査に関する基礎講義および機材を用いた調査のデモンストレーション、またトレース図の作成と活用、文献資料の検索方法や活用方法についての演習を各分担者が講師を担当して開催した。前年度に開催したワークショップから継続して参加する学生・研究者も多く、他分野の基礎事項を学ぶ機会を提供しながら、復元に関わるネットワーク作りの一助としての成果もあげることができたと考えている。ワークショップを通じて復元事業を受注している企業や工房の関係者とも交流を深めることができた。 また、1月には分担者が代表を務める若手研究(B)「『和様』をめぐる実証的研究-模倣と変容の位相」との共催ワークショップ「絵画材料としての藍について」を開催した。絵画復元の際にも重要となる色料のひとつである藍の抽出法について、研究発表と実演を行い、多くの研究者の関心を集めた。 本研究課題の後継研究として29年度から「日本絵画の復元研究における復元根拠の再検討」が採択されたが、今後も若手研究者や学生を対象とした基礎的な講義と、研究者を対象とした応用的・専門的なテーマのワークショップを並行して開催し、復元に関するネットワークを広げていく計画である。本課題の研究期間を通じて、その土台作りができたと考えている。
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