2015 Fiscal Year Research-status Report
バーナード・ベレンソンと矢代幸雄の往復書簡に関する研究
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26370128
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
越川 倫明 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (60178259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山梨 絵美子 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, その他 (30170575)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 西洋美術史 / 日本近代美術史学史 / イタリア・ルネサンス美術 / 東洋美術 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画における27年度の実施計画事項は、矢代およびベレンソンの書簡の和訳作成を主体とするものであったが、実際の27年度の実績はこれからやや方針を変更し、書簡の英文書きおこしと関連調査を完成させ、それらをハーヴァード大学付属ヴィッラ・イ・タッティのホームページ上で公刊することが主要な成果となった。この公刊は、オンライン展「Yashiro and Berenson: Art HIstory between Japan and Italy(矢代とベレンソン:日本とイタリアをつなぐ美術史)」のタイトルのもとに平成27年6月30日に公開された(http://yashiro.itatti.harvard.edu/)。同オンライン展のために、研究代表者と研究分担者はそれぞれ英文の原稿を執筆し、公刊した。同展は研究対象である矢代とベレンソンの往復書簡114通を初めて公開するもので、広く国際的な注目を集め、現在までに3000以上の参照があった。 もうひとつの主要な実績は、上記オンライン展の公開後、研究協力者であるヴィッラ・イ・タッティ副所長のジョナサン・ネルソン氏との協力の下、矢代幸雄の美術史方法論に関する調査を進め、小シンポジウムを企画・実施したことである。「美術史家矢代幸雄における西洋と東洋」と題する同シンポジウムは東京文化財研究所を会場に、西洋美術振興財団の助成を得て平成28年1月13日に開催され、5名の発表者による口頭研究発表と活発な議論が行われた。 以上のように、平成27年度においては、研究成果の英語による国際的公刊と、シンポジウムを介した矢代幸雄研究の進捗が主要な実績となった。当初予定であった書簡の和訳作業も部分的に進捗しており、平成28年度内に十分完了できる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、当初予定にはなかったハーヴァード大学ホームページ上でのオンライン展の実現、およびシンポジウムの開催の点で、予期した以上の成果をあげることができた。一方、当初27年度に予定していた英文書簡史料の和訳の作業はやや遅れている。この遅延は、平成28年度に十分取り戻すことができると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は特に、当初予定のうちやや進捗が遅れている英文書簡史料の和訳を進めていく。すでに各書簡の年代特定や、書簡に言及される人物等の概略調査は済んでいるので、和訳および註解の作業はスムーズに進むものと予想している。 さらに、書簡からもたらされた情報をもとに、矢代幸雄およびバーナード・ベレンソンの美術史方法論に関する考察を進め、論文のかたちでまとめていく。
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Causes of Carryover |
少額の端数が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ごく少額であるため、次年度の助成金に合わせて消耗品費等に使用したい。
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Remarks |
本研究課題の研究代表者、越川倫明、研究分担者、山梨絵美子、研究協力者、ジョナサン・ネルソンにより企画されたオンライン展覧会である。本研究課題の主要な対象である往復書簡、および関連する諸論考が掲載されている。
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Research Products
(9 results)