2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of technique materials in Goryeo Buddhist painting. -Sharring resarch information about reproductions-
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26370129
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
ユウ ヨンゴ 東京藝術大学, その他の研究科, 講師 (70401510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒井 経 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (60361739)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 複製技術 / 高麗仏画 / 国際研究者交流 / 国際情報共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
「高麗仏画」(13~14C)は韓国において極めて特別な文化財である。それは自国文化の精華でありながら国内にはほぼ存在していないという特殊な事情に起因する。 本研究では東京藝術大学大学美術館で所蔵されている「阿弥陀八大菩薩像」を研究対象作品に掲げ、絵画技法・文化財保存修復・美術史・自然科学分析の各分野に専門性を有する日韓両国の研究者協力の元、高精度な複製画制作を行うものであった。高精細な画像の撮影や光学的な調査はさることながら、支持体である絵絹の加工法、シルクスクリーン技術応用による絵肌凹凸の表現方法、表装形式を日本式のものとせず、高麗時代から朝鮮時代初期にかけての仕立て方法で行うなど、日韓両国間のそれまでの研究成果を持ち寄ることに大きな価値があった。そのことにより、従来の印刷では成しえなかった、質感・量感・空気感・臨場感をもとらえる複製画の完成を見ることができた。また現状況を克明に写し取った複製画だけでなく、失われた頭部図像を復元した、推定復元複製画の試みも行い、類似する高麗仏画研究で集約された情報を生かすことができた。 28年度中は韓国内の政治情勢が不安定な時期もあったため、韓国での研究会や発表などが困難となり研究交流の場を設けることができず、研究も多少滞った。しかし、29年12月に韓国・東国大学校にて行われた東丘美術史学会にて、講演「高麗仏画の複製画制作について」を行い、複製画について広く公開することが叶った。28年のアメリカ・フリーア美術館での発表とともに、複製画や模写が教育現場や文化財保存分野、修復現場で活用され、更なる研究促進に繋がるとの手ごたえを感じた。研究資料の集約・充実化とともに、保存も達成され、大きく文化交流にも寄与できたものと考える。
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Research Products
(3 results)