2015 Fiscal Year Research-status Report
東南アジアにおける美術史学の成立に関する基礎的研究
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26370137
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後小路 雅弘 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (50359931)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 近代美術史 / 東南アジア / 国立美術館 / インタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績は主に以下の3点である。 ①フィリピンにおける美術史学の成立について現地調査を行った。フィリピン近代美術史の主要な論者であるフィリピン大学サンチャゴ・ピラー教授にインタビューしたほか、現在最も活発に美術史を論じるフィリピン大学バルガス美術館のパトリック・フローレス教授と元バルガス美術館のディレクターであり美術教育に詳しいブレンダ・ファジャルド氏にインタビューを行った。また、文献資料を収集した。フィリピンにおける美術史の成立について考察する貴重な資料を得ることができた。 ②シンガポール現地調査を2度行った。1度目は、開館前のシンガポール国立美術館のリソースセンターで約2週間、東南アジアの美術史関係の資料を収集することができた。また在野の美術史資料収集家である許元豪氏のコレクションを調査し、資料収集をすることができた。2度目は、シンガポール国立美術館開館後に、シンガポール部門と東南アジア部門の展示を調査し、シンガポール部門の責任者ムスタファ氏と東南アジア部門の責任者堀川理沙氏と面談し、まさに東南アジアの美術史が美術館の展示として作られる現場に立会い、その諸問題について把握することができた。南洋美術学院の校長を勤めた林友権氏にインタビューを行った。 ③マレーシアの現地調査を行い、マレーシア建国時の1950~60年代に活躍したパイオニア画家であるジョリ・コー氏、ヨー・ジンレン氏、チョン・ライトン氏にインタビューし、初期の美術活動について貴重な証言を得た。また国立美術館におけるマレーシア近代美術史に関する包括的な展示を調査した。マレーシア近代美術史の生成に関する貴重な資料を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィリピンの調査は予定通りであったが、インタビュー希望者のアリス・ギレルモ氏が病気のため会えなかった。しかし他のインタビューは予想以上の収穫があった。またオランダ調査ができなかった。かわりに、シンガポールにおいて、2度の現地調査を行い、非常に充実した国立美術館の展示を調査し、資料を収集することができたのは予想以上の収穫であった。また、マレーシアの調査も順調に進展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度になるため、補足的な調査やインタビュー、資料収集を行う。インタビューを報告書にまとめるとともに、収集資料を分析し、考察を深めて学会発表を行う。
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Causes of Carryover |
3月調査分の資料整理を行う時間が足りず、謝金が残ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残った資料整理を、次年度分とあわせて行う。
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Research Products
(5 results)