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2015 Fiscal Year Research-status Report

森山威男のフリースタイル奏法のデジタルアーカイブ作成および対話を通じた分析と考察

Research Project

Project/Area Number 26370159
Research InstitutionTokyo National University of Fine Arts and Music

Principal Investigator

松野 誠 (長谷部浩)  東京藝術大学, 美術学部, 教授 (10323768)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 亀川 徹  東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (70359686)
松原 隆一郎  東京大学, 総合文化研究科, 教授 (90181750)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsフリージャズ / 山下洋輔トリオ / ドラミング / アイコンタクト / スイング
Outline of Annual Research Achievements

フリージャズはそれまでのジャズにおけるテンポやコード進行の定型を崩すものであるが、テンポがないために「スイング」するという音楽上の快感を得られなくなる嫌いがある。それに対し森山威男氏が在籍した山下洋輔トリオは、やはりフォービートのような定型を崩すものであるが、しかしクラシックの影響の強いヨーロッパのフリージャズとも異なって、フリー・フォームであるのにスイングするという独特の演奏法を編み出し、1974年のヨーロッパ公演では爆発的な反響と評価を勝ち取った。
しかし翌年に森山氏が同トリオを脱退したためその演奏法は封印され、森山氏もフォービートでの演奏によって再度ドラマーとしての名声を得ている。その結果、森山氏在籍時の山下洋輔トリオがどのような技術や構成によってあのようなスイング感を生み出していたのか不明となってしまった。しかも音源のみが残って動画がほとんど存在しないため、日本生まれで世界的に評価された演奏技術が見失われたままになっている。
本研究では森山氏自身が対話を通じてみずからのフリーフォームの演奏技術を実演をもって説明するものである。しかし演奏者は技術を身体化しているために、断片的にしか言語化できない。
そこでシナリオとして松原が再構成し、森山氏に修正を求めるという形で一般に了解可能な動画を作成するものである。また研究の途上で山下洋輔氏、坂田明氏の協力が得られたため、共演の動画を収録、アイコンタクトを撮影することで、フリーフォームなのにいかにして「合わせる」のかを解明することに成功した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

初(26)年度で研究の素材となる動画を説明・共演の4回にわたって撮影していたため、第2年度に当たる27年度は説明の内容を文字に起こし、整合性を与えるために構成を細かく変更し、全体にもストーリーを設けて、完成物である動画のためのシナリオを作成した。
そのシナリオを森山氏との対話を通じて3度にわたって修正し、初稿に当たる動画を作成した。章立ては、「模索」「完成」「共演」「実演」「証言」の5章となっている。
その動画に対して森山氏側から8つの注文を受けたため、再度シナリオを編集しなおし、現在はそれによって動画を再編しなおしているところである。

Strategy for Future Research Activity

今年度はシナリオでなく動画を見ながら細かい点を修正し、夏過ぎには成果物として動画を完成させる予定である。また11月20日には東大・駒場で「山下洋輔トリオによるジャズの変革-森山威男氏のフリージャズ・ドラミングを通じて-(仮題)」と題してシンポジウムを行い、動画を上映することとなっている(主宰はアメリカ太平洋研究センター)。芸大での公開は検討中である。
最終完成物としての動画はヤマハ・ミュージックが出版を求めており、シンポジウムでの上演をもって本科研としては公開したことにしたい。

Causes of Carryover

動画の作成が進行し、業者である高井氏に約束した撮影・編集全額である170万円の50万円を支払うためと、2年目に生じた作業に費用がかかるため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

高井氏への支払い50万円、1975年に撮影された映像が発見されたため、そのデジタル化費用が85320円、他にプレーヤーの費用が45036円(税込み)

  • Research Products

    (2 results)

All 2017 2016

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 「山下洋輔トリオによるジャズの変革-森山威男氏のフリージャズ・ドラミングを通じて-(仮題)」2016

    • Author(s)
      森山威男・松原隆一郎
    • Organizer
      アメリカ太平洋研究センター
    • Place of Presentation
      東京大学総合文化研究科
    • Year and Date
      2016-11-20
    • Invited
  • [Book] 森山威男のフリージャズ・ドラミング-山下洋輔トリオとは何だったか-(仮題)2017

    • Author(s)
      森山威男・松原隆一郎
    • Total Pages
      動画。パンフレット添付
    • Publisher
      ヤマハ・ミュージック

URL: 

Published: 2017-01-06  

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