2016 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural Considerations of Japanese Literary Works and Their Filmization Based on the Novels of Yasunari Kawabata
Project/Area Number |
26370173
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
福田 淳子 昭和女子大学, 人間社会学部, 准教授 (70218923)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 映像化 / 川端康成 / 「眠れる美女」 / オペラ化 / ドイツ / ベルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
川端康成の作品を中心に、原作小説と国内外での映像化作品とを比較分析し、国内外での調査をもとに文化的事象がどのように捉えられているかを検討、文学作品の映像化の意義を考察することを目的とした。 平成26年にパリでの川端康成原作映画上映会において行ったアンケート調査の集計表を作成し、インタビュー調査や実地踏査等も含めた分析を引き続き行った。 国内では、川端康成「伊豆の踊子」を二度映画化した西河克己監督の記念館(鳥取)を新たに調査した。海外では、平成28年9月9日から18日までドイツ・ベルギーに出張し、ドイツでは映画資料館を中心に調査を実施した。ベルギーでは、平成27年度の調査によって判明した川端康成「眠れる美女」のオペラ化(平成21年)について調査を実施。演出家ギー・カシアス氏と作曲家クリス・デフォート氏に対してインタビューを行った。オペラ「眠れる美女」は、東京文化会館が「平成28年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業」等の助成を受け、開館55周年・日本ベルギー友好150周年を記念して日本版「眠れる美女~House of the Sleeping Beauties~」を平成28年12月10日・11日に初上演。同館が関連事業として平成28年11月4日に東京都写真美術館にて映画「眠れる美女」(昭和43年版)の特別上映会を実施した際、依頼により講演を行い、雑誌「音脈」(2017Winter)に演出家と作曲家へのインタビュー記事を執筆した。オペラ公演の際には、プログラムに「川端康成と小説「眠れる美女」」を執筆、インタビュー記事も再録された。また、公演のため来日したギー・カシアス氏に再度インタビューを行った。 平成28年度、オペラ「眠れる美女」の調査を新たに加え、小説の映像化に限らずアダプテーションに対する考察の重要性を改めて実感するに至った。今後、研究成果を踏まえて論文にまとめる予定である。
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Research Products
(3 results)