2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26370177
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Research Institution | Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
高木 陽子 文化学園大学, 服装学部, 教授 (60307999)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ファッション / 越境 / 芸術と産業 / 国際情報交換 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、資本主義とモダニズムが生み出したファッションが、1980年前後より個性を表現する媒体としての側面を強め、衣服デザインの領域を超え写真、グラフィック、音楽、映画、演劇、ダンスなどの諸芸術を巻き込みながら展開し、生産から消費までの過程で国境を往還し、各地域で新たな文化を生み出している状況に注目している。 その事例を収集するために、英語を使用言語とする国際集会「Transboundary Fashion Seminar」シリーズを組織し、文化学園大学にて2回開催した。 第1回目は、Clemens Thornquist(Swedish School of Textiles, University of Boras)をゲストに迎え、ファッション制作の理論構築について議論をおこなった。 第2回目は、本研究と類似した方向性をもつ、英国の芸術人文学研究カウンシル(AHRC)の「ファッション&トランスレーション:英国、日本、中国、韓国」研究グループと共同で2日にわたる国際シンポジウム「英国と極東を架橋する」を開催した。Sarah Cheang (Royal College of Art) , Elizabeth Kramer (Northumbria University), Anna Jackson(V&A), Yunah Lee (Briton University), Toby Slade(東京大学), Christine Tsui(University of Hong Kong)をはじめとする研究者が、研究発表、議論、文化学園服飾博物館資料閲覧をおこなった。英国、極東地区の研究者間で情報交換をおこない、今後の課題を話しあうことで本課題の基盤が整いつつある。 詳細は、本研究HP参照。https://transboundaryfashion.wordpress.com/
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第2回目Transboundary Fashion Seminarを、研究の方向性を共有する英国の研究チームと共同開催することで、大規模な国際シンポジウムを開催することができた。6か国から11人の研究発表者のほか多国籍かつ多領域の聴衆を交えて活発な議論を展開することで、本研究課題に関する英国・極東間の国際ネットワークを築くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、既存のジャンルや概念を超えて、他の諸芸術を巻き込みながら展開している日本ファッションの事例調査を行う。 各年度2回のペースでTransboundary Fashion Seminarを開催する。平成27年度第1回目(6月24日、文化学園大学)は、『ミシンと日本の近代』(原著2012)の著者Andrew Gordon (Harvard University)をゲストにむかえ、ファッションの技術革新が消費への欲望を喚起した事例をめぐり議論する。 第2回目は、原宿周辺に出現したストリートファッションの世界の諸都市における変容を主題とするセミナーを、10月後半に予定している。問題意識を共有する国内外の研究者にくわえ、デザイナー、産業人、ジャーナリストを招き、研究発表と議論をおこないたい。
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Research Products
(4 results)