2016 Fiscal Year Annual Research Report
The avant-garde reconsideration in the media technology era: A thought and expression of Katsuhiro Yamaguchi
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26370190
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
八尾 里絵子 甲南女子大学, 文学部, 准教授 (10285413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北市 記子 大阪経済大学, 人間科学部, 准教授 (90412296)
門屋 博 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (80510635)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 山口勝弘 / アヴァンギャルド / 前衛的精神 / メディアアート / 環境芸術 / アウトサイダー・アート |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)2016年度の調査について 今期の実績のひとつに、山口勝弘の最新作『Mount Fuji and Golden Cockroach 富士山とゴキブリ』がある。山口は自身が所属する日本映像学会において、新作の映像作品を発表する(第42回大会)事を切望した為、これまで同様の制作サポートを行い発表を行った。そこでは、映像作品としてのクオリティよりむしろ、自分がイメージする世界を外部へ提示する事への強いこだわりが見え、それを含めた一連の行為そのものが山口の持ち続けている「前衛的精神」の現れであることに気付かされた。 また、研究が進むにつれ重要度を増したのが、山口の表現の変遷を客観的に捉える視点である。特に、かつて山口が提唱した「環境芸術」という概念は現在、本来の意義と乖離する傾向にある。そこで、国内外のメディアアート作品の展示調査を実施し、本来の「環境芸術」の概念に通ずる作品の体験と考察を行った。またその一方で、山口がかつて過ごした淡路島のアトリエ「山勝工場」について、関係者と共同で内部調査を実施した。 (2)社会との連携について 研究をどのように社会と連携させてゆくかは、人脈が非常に重要である。本研究も年月を重ねるうちに多くの人脈を持ち、美術館からの要請というかたちで、社会的な貢献を実現することができた。本研究期間中の要請は、2014年の個展『山口勝弘展-水の変容』(横浜市民ギャラリーあざみ野)と2016年の企画展『MAMリサーチ004:ビデオひろば-1970年代の実験的映像グループ再考』(森美術館)の2件である。前者では企画の早い段階から関わり、会期中には一般に向けたレクチャー『山口勝弘1951-2014』を我々が主体となり実施した。後者では、担当学芸員からの要請によりアドバイザーとして参画した。これらは、本研究が社会的にも有意義であると立証する事例となった。
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Remarks |
山口勝弘ウィキペディアについて、初めての文書を作成し公開した。 https://ja.wikipedia.org/wiki/山口勝弘
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Research Products
(3 results)