2017 Fiscal Year Annual Research Report
From the Mother India to an Urban Love Romance Heroin, Feminist Representation in Indian Films
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26370191
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
赤井 敏夫 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (00192873)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 映像学 / インド映画 / 南アジア / 女優監督 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度に開催した国際シンポジウム「女優の目から見たインド映画」の成果をウェブ公開した。これはインド映画界から女流監督ローヒニと女優ニティヤ・メーネンを招聘し、研究プロジェクト「インド映画における女性性の表象~映像学・映画製作論的研究~」の内容に沿って鼎談をおこなったものである。これによってインド映画界の中で女性映画人が占める位置づけが、映画界特有のユニオン制度(ライティングやメイクなどの制作部門ごとに成立している)の功罪を通じて明瞭となった。また2012年にデリーで起こったニルバヤ事件を一例として、女流映画人が映画を介して、あるいは映画界の外側で、そのように社会運動に参入しまたそれを加速化しているのかの一端も明らかにされた。これは同じ映画界でも男性は直接政治と関わり合いを持ち、スクリーン上で醸成されたヒーロー・イメージを利用して政界進出を図ることもあるのと比較して、著しい対照を成しており、同様にカリスマが発揮される場合にもジェンダー差に基づく「女性性」がそこに発露されていることが確認できた。これは学術調査上で得られた新しい知見であり、またそれを立証する重要な一次資料を公開することができたという意味で意義あるものと考える。なおこのウェブサイトは邦文と英文の2バージョンで公開されている。 また2017年9月に渡印し、チェンナイでローヒニと、バンガロールでニティヤ・メーネンと面談し、今回公開したサイトのコンテンツに関して意見を募り、その結果をサイトに反映させた。 本研究を通じて得た知見の一部を元にまとめた論文"Still the Land of Gold?: a Study of Japan’s Reception of Indian Cinema and the Predomina nce of Regional Films in Creating a Mass Market"を学会誌に投稿し掲載された。
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