2014 Fiscal Year Research-status Report
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26370198
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Research Institution | Satistical Information Institute for Consulting and Analysis |
Principal Investigator |
坂部 裕美子 公益財団法人統計情報研究開発センター, その他部局等, 研究員 (50435822)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 伝統芸能 / 歌舞伎 / 落語 / 統計分析 / 時系列比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでに筆者が行ってきた「伝統芸能興行データベースの作成・集計」を基軸としつつ、さらに「旧識に囚われない、分析対象分野の拡張」も視野に入れている。このため、本年度はインプットよりアウトプットに重点を置き、これまでに参加経験のない学会へ積極的に参加して、従来筆者が接してきた分野とは異なる分野における本研究の受容度を確認したり、数値化しづらい分野の事象分析における他学会での統計データの使い方を学んだりと、研究作業への「風入れ」に努めた。 その結果として、まず、宝塚データの分析に大きな可能性を見出すことができた(これまでに歌舞伎や落語でなかなか伝わらなかった「業界内に伝わるぼんやりとした『習わし』を、実際の記録を集計した数値で見る面白さ」が、テーマを宝塚に変えただけで、筆者が驚きを覚えるくらいストレートに伝わった)。さらに、演劇系の人脈が広がったことにより、新派や新国劇データの集計へ道筋をつけることができた。 さらに、本年度から所属機関の機関誌上で定期的に研究報告を掲載する機会を与えられた(平成26年度は歌舞伎、落語、宝塚についての記事が掲載された)。この記事執筆作業を通じて、これまでに作成した、複数の分野にわたる長期興行データの更新状況の確認(最終の研究報告時までで滞っているものが多い)や、より今日的なデータ分析の切り口の探求、といった作業を継続的に行うことが必須となり、研究全体の進捗管理にも役立っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
整備用の(紙ベースの)興行データ探究、集計データ作成などは順調に進んでいる。また、研究開始直後(約10年前)に作成した集計用プログラムの再確認など、今後の作業量の見極めも、並行して着実に進めている、
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Strategy for Future Research Activity |
まず、現在整備途上にある新派および新国劇の興行データの整備を進め、歌舞伎データとの構造面での比較を行う。収録データの制約があり、「戦後の興行比較」となる可能性が高いが、対象期間拡張についても検討する(新派・新国劇は信頼度の高い戦前のデータが確認されている)。 さらに、それらの横断比較を可能にする標準化済みデータベースのフォーマットについて考察する。
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Causes of Carryover |
プログラムの改修について、伝統芸能分野にも精通した外部の研究者に依頼する予定で準備していたが、予算執行手続きが遅れて年度内処理が不可能になり、断念している。(このため謝金の計上額が0になっている)
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の業務の執行、および、平成26年度中に一度も開催できなかった研究報告会の開催経費に補填して執行する。
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Research Products
(3 results)