2016 Fiscal Year Annual Research Report
Creating a standardized data base of the postwar traditional entertainment performance
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26370198
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Research Institution | Satistical Information Institute for Consulting and Analysis |
Principal Investigator |
坂部 裕美子 公益財団法人統計情報研究開発センター, その他部局等, 研究員 (50435822)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歌舞伎 / 新派 / 新国劇 / 宝塚歌劇 / 統計 / 長期データ |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国で現在も行われている実演芸術公演の中には、歌舞伎のように非常に長い歴史を有するものが含まれている。歌舞伎はかつては人気を誇っていたが、後に娯楽の中心は映画やテレビに移ってしまい、観客動員は大きく落ち込むことになった、と演劇史研究の場では語られている。 このことを数値で確認しようとしても、観客動員に関する公式な長期データは存在しない。そこで、各演劇分野についての公演データベースを作成し、公演回数のデータを追うことで客観的な興行史の実態に迫ろうとするのが本研究の趣旨である。 データ探索対象が広がり過ぎないように「伝統芸能興行」に限定することとし、先行研究における歌舞伎や宝塚の長期データ作成経験を活かしながら、これらの収録データ拡充に加えて新派や新国劇についても興行記録を探求し、先行分と比較可能な形でのデータ整備を進めた。幸い新国劇については、一部のデータ整備が別プロジェクトで進行中であったので、これらの整備済みデータの貸与を受け、それをデータ相互比較用に標準化することなどで、分野を跨いでの比較が可能な長期公演回数データを作成した。公演規模の差が考慮されていないなど改良の余地を残した状態ではあるが、演劇の研究者がこれまでに一度も見たことがないであろう長期時系列データを作成できたことには、重要な意義があると考えている。 さらに、いわゆる「研究者」以外の公演関係者に「公演データ集計」の意義が伝わるように、成果の広報にも努力を払い、単純な数表や折れ線グラフよりもインパクトを与えられるグラフのJavaScriptによる作図についての研究や、容易に読み終えることのできる「初心者向け研究報告書」の作成なども行った。
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