2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26370204
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
膽吹 覚 福井大学, 国際交流センター, 准教授 (70362035)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 書誌学 / 仏書 / 真宗 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、まず信暁が開いた大行寺に所蔵されている信暁の著作に関する書誌学的調査を実施した。今回の調査では『山海里』、『山海里』草稿、『阿弥陀経即生編』2種、『観経隠彰義』、『正信偈一言鈔』、『文殊和讃』、『文殊和讃註解智田鈔』、『一枚起請文講話』、『大原問答勧導』、『善光寺如来像相記』、『五悪段因果実験録』、『法義なかよし』3種、『報恩講私記』、『故事因縁唱導譬喩録』の計19点の書誌を調査し、カードに記載した。次に信暁の著書を所蔵する機関(図書館)に出張し、その著書を閲覧し、書誌調査を行った。龍谷大学附属図書館では『阿弥陀経即生編』、『観無量寿経隠彰義』、『三帖和讃歓喜鈔』、『三帖和讃忘己鈔』、『文殊和讃』、『四十八願得聞鈔』、『法義なかよし』、『大寒気由旬便覧』、『大坂男女正定講名録』、『大弁才天十句讃』、『大寒気由旬便覧』の11点。大谷大学附属図書館では『山海里』、『三帖和讃歓喜鈔』『三帖和讃忘己鈔』、『正信偈一言鈔』、『浄土和讃忘己鈔』、『大寒気由旬便覧』、『頒暦講話並説教』、『平太郎之記』、『文殊和讃註解智田鈔』の9点。次に仏教大学附属図書館では『阿弥陀経即生篇』、『一枚起請文講話』、『大原問答勧導』、『御文寸珍』、『観無量寿経隠彰義』、『四十八願得聞鈔』、『梵暦指示』の7点。山形県酒田市立光丘文庫では『山海里』2種、『観無量寿経隠彰義』、『大原問答勧導』、『正信偈一言鈔』の5点を調査した。金沢大学附属図書館暁烏文庫では『四十八願得聞鈔』、『法語夜話』の2点を調査した。九州大学附属図書館では『三帖和讃歓喜鈔』、『大寒気由旬便覧』2種の計3点を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定していた7箇所での書誌調査はすべて予定通り実施できたので、おおむね順調に進展していると評価してよいであろう。調査対象機関には事前に調査依頼書を送付し、その許可を得ていたので、すべて順調に進展することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は国立国会図書館、日比谷図書館加賀文庫、横浜市立大学附属図書館、青森県弘前市立図書館、岩手県北上市立図書館、三重県津市立図書館橋本文庫の6カ所の図書館に所蔵されている信暁の著書に関する書誌調査を行なう予定である。平成28年度は26・27年度の2年間に渡って調査した信暁の著書に関するすべての書誌情報を集積し、書誌学関係の参考文献を利用して「大行寺信暁著著書誌目録」を作成する。作成した書誌目録は、申請者が所属する学会誌等へ発表する予定である。また、平成26・27年度の2年間に渡って調査した信暁の著書に関するすべての書誌情報から大行寺版に関するものを選び出し、大行寺版の形態的特色をはじめ、その彫師や販売店の特定、板権の移動などの諸課題の解明を通して、江戸時代末期の京都に於ける真宗末寺の出版事情を解明する。考察に際しては、上述の書誌学関係の参考文献を利用する。本研究は申請者が所属する学会で研究発表し、その後、学会誌へ投稿する計画である。
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