2015 Fiscal Year Research-status Report
東アジアにおける徐福東渡伝承の形成と受容に関する研究
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26370215
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
金 任仲 明治大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (30599577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袴田 光康 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (90552729)
堂野前 彰子 (岡本彰子) 明治大学, 経営学部, その他 (50588770)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 徐福 / 日本渡来 / 南海島 / 徐市題名刻字 / 宮下古文書 / 阿蘇山太神社 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、初年度の徐福伝説に関する資料調査を踏まえ、韓国側の資料『海東諸国記』『看羊録』『五山説林』などにみられる徐福伝説を文献学的側面から比較検討した。また、韓国慶尚南道の各地域に伝わる徐福伝説の現地調査と資料収集を合わせて行なった。咸陽の徳裕山は地理的に東方三神山の一つである方丈の智異山と連なっており、徐福は秦の始皇帝は不老草である「山参」を求めてきたといわれるが定かではない。さらに韓国で徐福伝説地として、南海島の良阿里の岩に刻み込まれた「徐市題名刻字」という刻字が残っている。その刻字は、徐市(福)が此の処を過ぎたという意味として解釈されている(2015年8月25日~8月29日)。さらに、山梨県富士吉田市には『宮下古文書』が残っており、徐福渡来と関連する明見湖の徐福像・徐福雨乞地蔵祠・阿蘇山太神社境内の徐福祠など現地調査と資料収集を行なった(2016年1月26日~1月29日)。 研究成果としては、金任仲「百済王善光と長野善光寺」(『淵民学志』24輯、2015)、「明恵における光明真言土砂加持の信仰」(『絵解きと伝承そして文学』、2016)、袴田光康「東ユーラシアにおける庭園と蓬莱―王朝庭園文学論序説―」(『王朝文学と東ユーラシア文化』、2015)、「六条院と蓬莱―庭園と漢詩をめぐって―」(『源氏物語の方法を考える』、2015)、堂野前彰子「日向神話の「韓國」―『三国遺事』に描かれた「倭」と比較して―」(『冽上古典研究』第47輯、2015)などがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
徐福伝説に関連する現地調査と資料解読など、計画通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
国内外の学会・研究会などで積極的に発表すると共に、東アジアにおける徐福東渡伝承の成立と受容の形態を明らかにした学術論文を学術雑誌に投稿し、その進捗状況をWeb上で広く社会に発信していく。
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Causes of Carryover |
徐福の東渡伝承に関連する地域の国内調査の日程変更により、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
丹後半島と佐賀市の金立神社などの現地調査と資料収集のために使用する予定である。
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