2014 Fiscal Year Research-status Report
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26370218
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
川崎 佐知子 立命館大学, 文学部, 准教授 (00536120)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国内文献調査 / 国内成果公表 / 文献解読 / 文献注釈 / 国内資料収集 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、「『无上法院殿御日記』と品宮常子内親王に関する資料報告」を重点研究テーマとした。研究遂行一年目として、主たる考察対象である公益財団法人陽明文庫蔵『无上法院殿御日記』について、実施計画に基づき、つぎの作業をおこなった。 1、実見調査と情報収集 公益財団法人陽明文庫(京都市右京区)において、『无上法院殿御日記』全三十六冊の実見調査を実施した。調査内容は、原本の書誌情報と内容確認、および資料判読である。このほか、関連資料収集のため、東京大学史料編纂所(東京都文京区)、天理大学附属天理図書館(奈良県天理市)において、資料調査を実施した。上記のほか、最新の学界動向を知るため、中古文学会全国大会(立教大学・京都女子大学)・和歌文学会(青山学院大学)・中世文学会(早稲田大学・金沢大学)に参加した。 2、資料内容の分析・検討 1の実見調査と情報収集の結果をふまえ、主たる対象 資料の全文翻刻作業を進行した。作業のために、所蔵機関より許可を得、全文の紙焼き写真を作成した。あわせて、記主の後水尾院品宮常子内親王の伝記的事項を整理した。 3、研究成果の公表 1と2の作業結果を整理して、資料調査報告・研究レポートを学術論文「『无上法院殿御日記』研究序説」(『論究日本文学』第100号 2014年5月)に公表した。また、成果の一部を、資料校訂著書『御茶湯之記 予楽院近衞家凞の茶会記』(思文閣出版 2014年)の内容に反映させ、公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画で計画をたてた、1実見調査と情報収集は、外部の所蔵機関の協力を得て、ほとんどのすべてを、計画どおりに実施することができた。2資料内容の分析・検討についても、1を計画どおりに進めることができたので、大きな支障もなく、おおむね順調に実施できている。3研究成果の公表については、1と2の作業を経て、成果の一部を、すみやかに公表することができた。よって、全体として、おおむね順調に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究実施計画に、変更の予定はない。 当初の計画どおり、「後水尾院品宮常子内親王周辺の文化的活動に関する資料報告と文学的価値」を重点研究テーマに、1実見調査と情報収集、2資料内容の分析・検討、3研究成果の公表を、計画どおり実施する予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度実施予定であった研究課題遂行の資料収集・学会参加などの一部を、次年度に実行するよう変更した。そのため、直接経費のうち、旅費について、使用額に差額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度実施できなかった研究課題遂行のための資料収集・学会参加などを、平成27年度に、できるだけすみやかに実施する予定である。 また、平成27年度には、ひきつづき、研究遂行上必要な研究図書や物品等の購入、他機関での資料調査や情報収集・成果公開のための国内学会参加(東京・広島方面を予定)等の出張が必要であるため、こちらも滞りなく実行する計画である。
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Research Products
(2 results)