2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive study of the formation on process of the Michiyukibun in the Middle Ages
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26370219
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 三津子 大阪工業大学, 知的財産学部, 教授 (50201984)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 宴曲 / 伝本一覧 / 新出早歌 / 四季恋 / 鶯 / 枕 / 早歌 |
Outline of Annual Research Achievements |
『岩井家所蔵目録』の分析を通して、京観世岩井家(四代目当主岩井直恒)と宴曲との関わりについて再考した。 最終年度には、宴曲伝本の悉皆調査をほぼ完了し、書写年次によって室町期・江戸期・近代の3種に分類した伝本の一覧表を作成した。新出資料国立歴史民俗博物館蔵高松宮本『六家抄 下』紙背の早歌を公開するために、歴博と協力し、綴じ糸をを外しての解体・写真撮影・補修を行い、綴じ直しをせずに今後も閲覧が可能となるような形での修復を行った。共同研究で新出の早歌〈四季恋〉〈鶯〉〈枕〉に注釈を施し、その成果をまとめた。 補助期間の総括として、室町期を中心とする宴曲(早歌)の伝流と継承の跡をたどることを目的として『早歌の伝流と継承ー明空から坂阿・宗砌へー』と題する書籍の刊行を目指した(内容:【資料編】「伝本一覧:岡田三津子・「宴曲古写本書誌」:佐々木孝浩、「早歌関係資料」:外村久江、岡田三津子補訂、「早歌文献目録」:外村久江・外村南都子、神田裕子補訂、「国立歴史民俗博物館蔵高松宮本『六家抄 下』紙背および早歌について」:落合博志、影印(国立歴史民俗博物館蔵高松宮本『六家抄 下』紙背・撰謡一体三名秘訣并三説二説口伝事)【注釈編】「四季恋」「鶯」「枕」:安達敬子、植木朝子、岡田三津子、櫻井陽子、「熊野参詣」注釈)。三弥井書店から2017年5月26日に刊行の予定である。 本書は、本研究の成果であるとともに、研究者がそれぞれの専門分野に立脚して宴曲研究に取り組むことによって、中世文学研究および中世文芸研究の新たな可能性を開拓できることを示したものとなった。
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Research Products
(3 results)