2016 Fiscal Year Annual Research Report
The Study of the Modern History of Children 's publishing Culture: Hakubunkan Publishing in the Meiji Period
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26370222
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Research Institution | Kacho Junior College |
Principal Investigator |
遠藤 純 華頂短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (10416258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 安子 一般財団法人大阪国際児童文学振興財団, その他部局等, 総括専門員 (00416257)
酒井 晶代 愛知淑徳大学, 創造表現学部, 教授 (10279953)
小松 聡子 一般財団法人大阪国際児童文学振興財団, その他部局等, 特別専門員 (90416256)
目黒 強 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (70346229)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 児童文学 / 児童文化 / 児童出版 / 博文館 / 明治期 / 児童雑誌 / 少年世界 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の実績としては、まず明治期を代表する出版社である博文館の雑誌内容目次を作成できたことである。「日本之少年」「幼年雑誌」「幼年世界」など、冊数にして約400冊、13,239レコ-ドを作成した。これまでに蓄積してきたデ-タ(「少年世界」「少女世界」)を加えることで、明治期の雑誌内容目次がより充実し、児童出版文化を研究するうえでの基礎的デ-タが整備できたといえる。また、博文館の児童出版・イベント活動を支えてきた館員(出版人・編集者等)について、その名簿(大正11年から昭和2年まで)合計5冊、全792名分についてデ-タベ-ス化し、調査でき得る範囲で肩書きや業績、その他関連情報等について入力を行った。本デ-タを整備するなかで、博文館関係者の出版・編集ネットワ-クが活用された事例として、博文館関係者と製菓会社の児童文化戦略について考察がなされた。 雑誌投稿についても具体的にデ-タを収集・蓄積し、「少年世界」誌が当時、どのような読書空間を子どもたちに提供したのか、その受容形態を含めて詳細に分析。論文「大正期『少年世界』と『少女世界』の読者投稿欄」としてまとめられた。また博文館の雑誌全体の特徴を見るために、「少年世界」の後続誌となる「少年少女譚海」「少年倶楽部」を考察の対象とし、両誌との比較から「『少年少女譚海』(博文館)の内容と特質-他誌との比較を通して-」および「『少年少女譚海』(博文館)の内容と特質-『少年倶楽部』との比較を通して-」が公表されている。 このほか、叢書「幼年全書」や「幼年玉手函」の考察を通して、雑誌と図書が未分化であったこと、教科書や教育との関係性が殊の外大きく、重要視されていたことなどが明確になった。また博文館のメディアイベントやお伽倶楽部の創始時期についても考察し、いずれもこれまで明らかにされてこなかった史的事実が明確にされ、論文として公開されている。
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Research Products
(4 results)